2016年11月11日 (金)

作り手冥利に尽きます

我が工房のロングセラー、そしてベストセラーの丸いこども椅子です。

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累計製作数は600脚を超えて、たくさんの方にご愛用いただいています。
ありがとうございます m(__)m

最初の製作から十数年にもなりますので、時々修理やメンテナンスなどのご依頼を頂きます。
年に数度ほどお問合わせがあるのですが、不思議な事に、そのお問合わせのタイミングが重なるのです。

一件お問い合わせをいただくと、その数日後にもう一件、さらにその数日後に一件、、という具合。
その後、しばらく一年ほども何もなくて、また数件、という具合です。


そして、今がその重なっている時期。
この半月ほどの間にお問い合わせをいただき、現在4脚のこども椅子が待機中。

数年から、もう10年以上もお使いいただいたものまでありますが、そのそれぞれに思いがあり、久しぶりに我が子の里帰りを迎えたような気分に浸ることができます。

基本デザインは変えていませんが、各部の作り方などはマイナーチェンジを行っていますので、古くに作ったものを見ると、ああ、このときはこのような構造にしていたのだなぁ・・・と、その当時を思い出したりします。

あちこちについた傷や凹みの一つ一つが時を感じさせ、そして、何よりも修理やメンテナンスをしてこれからも更に使い続けていただけることが何よりもありがたく、作り手冥利に尽きます。

これから必要な手当を施し、軽く再塗装をして、出来上がった順にまた送り届けたいと思います。


手作り家具屋をやってて、よかったなぁ♪

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2016年10月 3日 (月)

木工と女性と腕力と2

続き・・・

しかし、ハンデがあるとは言え、女性木工家も数多くいらっしゃいますし、もちろん素晴らしい家具を作っておられます。
女性でも、複数体制で臨めば重さの問題はクリアできますし、一人であってもノックダウン式を積極的に採用したり、小ぶりの家具や小物に特化するなどで、ハンデを逆手に取って差別化の柱にするなどの工夫をしている方も見かけます。

これを敷衍して考えて見るならば、各工房によって制作環境は様々であり、やはりそれぞれに短所を抱えているもので、それぞれに短所の数だけのハンデを背負っています。

しかし、ハンデがあるほど、制約があるほど、それを克服するための知恵も出てきますし、願わくばハンデを逆手に取って強みに変えていくほどのアイデアを絞り出すことができれば、また視野も広がってくるかもしれません。

また、腕力の問題にしても男はたしかに有利ですが、それも若い頃だけのこと・・・
年を取ってくると確実に腕力は落ちてきますので、やはり重さということが大きな問題になってきます。

何を隠そう、、かく私も50歳を過ぎた頃からそれをひしひしと実感するようになり、加えて五十肩やらぎっくり腰やらを経験して、重さに対してはほとんど恐怖を感じるまでになってきました。

このため、設計も以前とは変えており(変えざるを得なくなり・・・) 各パーツはできるだけ後付・取り外しができるようにしたり、ノックダウン方式を採用したりと、様々な工夫をして今に至ります。


とまあ、あまりまとまりなく書いてきましたが、ハンデは人それぞれ・・・
それを自覚し、それをブレークスルーすることで、是非素晴らしい家具作りをしてほしいと、新たな木工家志望諸氏に強く願う次第であります。


というわけで、私も今からラジオ体操とストレッチとスクワットします。
体力維持も大事な仕事でありますなぁ

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2016年10月 1日 (土)

木工と女性と腕力と1

木工に体力は必要か?

体力・・と言うよりは、腕力と言ったほうが良いかもしれませんが、先日おいでになった木工家志望の方との間で話題になったことです。

その方は女性なのですが、以前、とある木工家に弟子入り志願をしたところ、女に家具作りは無理なので、女の弟子は取らない、、と言われたとの由。

なぜ無理なのか?
女性は腕力に劣る。
家具作りには腕力が必要で、この点で女性には無理  とのことだったようです。

こんなこと言うと、すわ女性差別、蔑視だ というお叱りの言葉が聞こえてくるようですが、正直なところを申し上げるならば、この木工家氏の主張はある程度正鵠を射ているように思われます。

家具作りをする場合、パーツ加工の段階では特段の問題はありませんが、それをキャビネット本体などに組み上げた瞬間に重量は格段に重くなります。

サイズが大きくなるほどそれが顕著になるのは言うまでもなく、さらに無垢材を用いるならば、その重さはフラッシュの比ではありません。
ちょっとした小ぶりのキャビネットですら、不用意に持ち上げると肩や腰を痛めることになりかねず、それはそれは大変であります。

複数の作業員がいる木工所であれば、共同作業をすることで重さの問題も解消できますが、一人作業であればそれもかなわず、圧倒的な重量を前にして腕力不足はいかんともしがたいのが現実です。

これは差別でも蔑視でもなく、性差による腕力差の問題であり、女性は家具作りにおいて腕力という点においてハンデを背負っていることは確かなことと言えそうです。


つづく・・

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2016年3月 8日 (火)

同級生 颯爽と

来客あり。
訓練校の同級生です。

現在、バリバリの建具職人で、一国一城の主。
福岡市在住ですが、この日北九州で仕事があり、それが終わったので寄った。。とのこと。

二年ぶりくらいの再会です。


同級生ですが、年齢は私より10歳下の42歳。
訓練校に通っていた時はまだ20代後半で、クラスの最年少。
正直なところ、学生気分が抜け切らない甘ちゃんだなぁ・・なんて思っていたものですが、経験は人を変えるものですね・・もう、どこから見てもバリバリの第一線で活躍する職人さんです。

しばし昔話や、近況など・・・

家具にしろ、建具にしろ、、いや、なんであるにしろ、商売を展開するということはなかなか大変で、同病相哀れむ・・ではないですが、頷き共感することばかり。

しかし、彼の良い所は、とにかく天性的に明るい。。ということ。
色々大変だけど、今の仕事は楽しい。。と、笑顔で言えることが何よりで、充実した幸せな人生を歩んでいるようです。


話をしながら、こちらも勇気づけられました。
色々なことはあるけど、全力でこなしていくとどのようなことでも楽しく思えてくるもの。
(黒澤明の受け売りですが・・・)

改めて、そのことを彼から教わったような思いがしました。

じゃあまた・・・ と、颯爽と帰っていく後ろ姿を見送りながら、いい男になったなぁ。。としみじみ思った出来事でありました。

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2015年12月20日 (日)

木工家氏 ご来訪

木工家氏、ご来訪。
この度、福岡は糸島半島で新しく工房を開業されるH氏です。

満を持しての開業、おめでとうございます。

H氏と初めてお会いしたのは5年ほども前の事になるでしょうか?
弊工房を訪ねて来られ、木工をやりたいとのこと。

そのために職を辞し、職業訓練校へいくとの由・・
穏やかな語り口なれど、その奥に秘めた熱い情熱と、着実な行動計画に感心したのを覚えています。

その後、計画通り訓練校へ行き、卒業後は木工房での修行が数年。
そしてこの度、開業に漕ぎ着けたとのことで、見事な有言実行であります。

今回は、開業に際しての表敬訪問ということでしょう。。
その律儀さに頭が下がります。

糸島半島は、木工を含めて様々なハンドメイドの工房がひしめく手作り工芸のメッカとも言える場所で、糸島という名前にちょっとしたブランド力があるほどの土地です。

知名度、場所柄は申し分ありませんが、その分競争も激しいように思われます。
今からが勝負。。持ち前のバイタリティーで頑張ってくださいね。


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2015年2月15日 (日)

できないをできるように

お客様をお迎えしての打ち合わせでした。

家具ではありませんが、とてもユニークなアイテムのご相談。
最初にご希望をお聞きした時には、「これはできない」と思いましたが、あれこれ考えていくと、やれそうな気も?

う~ん、どうすればよいか???

できない・・とお断りするのは簡単なのですが、その言葉はできるだけ使いたくない。
できない・・のは、在来技術や今までの経験に縛られているからであり、知らず知らずのうちに限界枠の中に閉じこもってしまっているのでありますな。

できないをできるようにするためには、その枠を取っ払って、全く新しい角度から視点を変えて見てみることが必要です。

そうなのですが・・・さて、どうしたものか?

((+_+))

唸っていると、ひとつアイデアがflair


うん、こうすれば、理論的には・・できる。
しかし、実際は・・

やってみなければ・・・わからない。


ということで、確証はできないけど、トライするということでお引き受けいたしました。


ほんとに出来るの?
それは分かりませんが、できる可能性が70%くらいあるのであれば、残り30%はなんとかなる・・はず。

期限は数ヶ月で、時間はたっぷりありますので、今から折にふれ考えていくことにします。
ボケ防止には、調度よいかも (^_^;)

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2015年1月30日 (金)

プチ飲み会

昨日は、近所の木工家氏とプチ飲み会でした。

同病相哀れむ・・もとい、同業相哀れむ・・
まあ、同業者ならではの、様々な事があるわけですよ ハイ。

この業種、工房主の方々は、かっこ良く言えば一匹狼的で、皮肉めいて言うと人付き合いが苦手という方が多く、同業者同士の横のつながりができにくいのです。
(一部の例外はありますが)

このため、一人で孤独に仕事をしている人が多いのが特徴で、それはそれで良いこともあるのですが、しかし、どうしても独善になったり、あるいは迷い道に紛れ込んだりすることも少なくありません。

もちろん、私もその一人です。


そのような時に、ちょっとでも他者と意見を交わすことができるなら、たとえ問題解決につながらなくとも、いくばくかのストレス解消にはなります。
会社帰りのサラリーマンが、連れ合って赤ちょうちんで愚痴るのと同じですね。

ひょんなことからのプチ飲み会でしたが、今日はほどよくストレスが軽くなったように思います。

今日も相変わらず寒いですが、さて、頑張りますか。

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2014年11月 9日 (日)

マホガニーという魅惑

マホガニーという材があります。

加工性、寸法安定性に優れ、そして、何と言っても仕上げた時の質感、色合いともにうっとりとするような、さらには、ちょっと妖艶さをも感じさせる魅惑的な材で、古来より家具の他、楽器などにも多用されてきました。

しかし、それによる乱伐が祟り、本場のキューバ、ホンジュラスを始めとして、その多くが絶滅、あるいは絶滅危惧種となり、ワシントン条約の規制下で伐採や流通が厳しく規制されています。

このため、現在マホガニーとして流通しているものは、主にはアフリカ原産などの亜種(正確には異種)で、真性のマホガニーではありません。
(このあたり、以前から思っているのですが、景品表示法に引っかからないのかな? 似た材を〇〇マホガニーとか、〇〇サクラなどと呼び習わす材木業界の慣習は、いい加減改めるべきと思うのですが・・)


それはともあれ、真性マホガニーは、端材は別として、家具用の材についてはほとんど流通はなく、あったとしても単発的な在庫(おそらく、規制以前からの不動在庫)か、異型一枚板などの一品物で、その出会いは一期一会です。
そして、もちろんのことながら、ひじょ~に・・・高価 (@_@。

なので、大枚を叩く覚悟さえあれば、この希少材を取り寄せることは不可能ではありませんが、それは多分に趣味的要素が強く、商売ベースで考えると現実的とはいえません。

このため、マホガニーについては多大な興味を抱きつつも、今までこの材を積極的に用いることはありませんでした。


それが、この度、お客様よりのたってのご要望により、真性マホガニーを本格的に探すこととなりました。
まずはネットで検索。
しかし、ヒットはわずかで、そこに連絡しても、すでに在庫はないとの回答。

今後、入荷するかどうかについても、全く未定とにべもなし。

(-_-;)

いくつかあたってみて、結局は燈台下暗し。
いつもお付き合いをさせて頂いてる材木屋さんに在庫(もはや死蔵)されていた、多量の真性マホガニーを発見しました。

おおおおお!

ただ、板厚が薄く、小物の製作には支障ありませんが、家具を作るにちょっと厳しい。
う~ん、やはりそううまくは行きませんね。

どうするか?
ということで、とりあえずサンプルを取り寄せて木肌などを確認してみたのですが、やはり・・いい。

やはり、いいな~ マホガニー。

何とかならないものか?
薄板を用いるには、厚み方向に集成すればいいのですが、その手間を含めた加工費、そして、何と言っても高額となる材料費を加味して、現実的な価格で提供することができるのか?

商売でありながらも、多分に個人的な興味や欲求をも巻き込んで、マホガニー計画進行中。

先行きは困難ですが、それをさせるような官能的な魅力が、確かにマホガニーにはあるようです。
木工家としての性かもね・・

マホガニーという魅惑・・・ 禁断の扉は開くのか? 
今後に、乞うご期待。


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2014年10月 8日 (水)

丸いこども椅子2脚

我が工房のロングセラー、丸いこども椅子。
作り続けて10数年、、基本デザインは同じですが、各部のパーツや仕口などは常にマイナーチェンジを続けて今日に至っています。

お子様や、お孫様が増えるに従って、リピートでご注文をしていただくことも増えてきており、そのようなご依頼のメールをいただくと、ああ、もうあれからウン年になるのか・・と、時の流れを感じます。

先日、お客様から写真を頂きました。
Img_4328


左は今回お届けした新しい椅子で、右は5年ほど前にご注文いただいたもの。

写真を拝見すると、5年前のことが蘇ってきました。
そうか、あれから5年経ったのかぁ

大切に使って頂いている由、とても嬉しく思います。
新しい椅子を加えて、ご姉妹仲良く、健やかにご成長されることを願っています。


木工屋をやっていてよかったなぁ。。と感じる瞬間でした。

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2014年9月22日 (月)

加工技術を伝えるのも

先日、金物業者の方がおいでになりました。
聞くと・・とある工場でつかう、金属製の大きな蓋を作らなければならないのだが、その金属板を貼るための枠ができないだろうか? とのお話でした。

構造は単純な枠構造で、特段の難しさはありません。
また、材料は製材されたものを持ち込むとのことでしたので、手間賃のみの加工となります。

こんな依頼でもいいのでしょうか?
と、かなり恐縮されていたのですが、いえいえ、もちろん喜んでお引き受けいたしますよ。

ただ・・・

ただ・・

量が結構多い。
また、枠も桟が多い構造で、これらに穴を掘り、更にホゾを切っていくと、これはかなりの工数となり、どう考えても一日仕事になってしまいます。

ならば、工程の合間に少しずつ・・とも思いましたが、急ぎの納期とのこと。。。

((+_+))  うーん、まあ、だいたい業者さんの依頼は短納期だもんね。

困りましたね~と、顔を突き合わせながらつぶやいていて、ふと思いつきました。

そうだ!
この構造は、フラッシュ家具と同じではないか。

ならば、別にほぞ組にしなくても、定寸にカットして枠状に並べ、それらをタッカー(ステープル)で仮止め。
その上に金属板を貼ってやればよいではないか。

おお、これならすぐできるし、だれでもできますよ♪

なるほど、私の工場にはタッカーがありますので、それなら私でもできますね。
こんな方法があったのですね!

ということになった次第です。


弊工房で加工することにはなりませんでしたが、加工技術をお伝えするのも立派な地域貢献ですな。
笑顔でお帰りになるお客さんを見送って、ちょっと嬉しい気分になった出来事でありました。

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