2005年8月11日 (木)

デザイン考4

デザイン上のもう一つの重要なポイントは、細部の造作。

全体のプロポーション、サイズなどを全く同じにしても、例えば端面の面取りの大きさで雰囲気はがらっと変わってしまう。

面取り・・・何気なく見えるが・・・まあ、何気ないものには違いないのだが、しかし、面取りのサイズが数ミリ変わっても全く違った佇まいになるのである。

私の場合、最も多く用いる面取りは一分のボーズ面。
まあ、半径3ミリほどの円。

そして、次に用いるのが二分(6ミリほど)の、やはりボーズ面。

同じボーズ面でも、一分にするか二分にするか相当に悩ましく、いつも材を目の前にして考え込むことしきり。

さらに、これをボーズ面ではなく角面にすると、これまた全然違った雰囲気になる。
ボーズ面は優しい感じがするが、角面はシャープなイメージになる。

さらにさらに、角面でもトリマーなどで取った綺麗な45度の面と、手がんなで削りだした、多少ファジーな面とではやはり見え方が違う。

どちらが良いというのではなく、これにも適材適所というものがある・・・ように感じる。

例えば、額縁の内法面などはトリマーで取るが、天板の端面や框の内法などは手がんなで取るようにしている。
機械的なラインがあう場所と、多少ファジーな手作りのラインが合う場所・・・確かにある。

ホントに細かいことなのだが、けっこうこだわっている。
このように、細かな造作の一つ一つの積み上げによって、完成したときに受ける印象が大きく左右される。

たかが面取りではない、きわめて重要なものなのだ。

佇まいの良い家具は、やはり細かな面取りを工夫しているのが良くわかる。
もしこのブログを読んでいる木工家志望の方がいらっしゃったら、いろいろな作品を見るときに、是非面取りなど細かな部分の作り込みをよく観察してください。

もちろん面取り以外にも、材の突き当て方や視覚的な錯覚を利用した縁切りなどといった工夫もあり、書き出すときりがなくなるので、このあたりはまた別の機会に・・・

何にせよ、細かな造作が作品の品格を大きく左右する、そのことは間違いない。

これもまたデザインだろう。
全体のプロポーションと、細部の作り込み。
全体と部分、それらを突き詰めていった先に美しい形があらわれる・・・と思うのだ。

毎度毎度苦しい道のり。
仕事は楽しんでやらないといいものができない・・・などという人がいるが、そんなこと本当にあるのか?
なんて思う。

苦しみを経ずに、楽しみだけでよいものができる・・のであれば、それはまさに夢のような仕事。
そんな仕事、この世に存在するとは思えない。

楽な仕事などない。
苦労の先に良いものが生まれる。
そして、その苦労した過程があるからこそ喜びも大きくなるのではないのか。

もの作りなんて、完成したときの一瞬の喜びを味わいたいが故にやっているようなもの。
会社時代からもの作りに関わり続けて早20年あまり、その連続である。

会社辞めたとき、これであの産みの苦しみから解放されるかと思ったが、独立しても全く同じだった。
まあ、考えてみれば当たり前のことで、もの作りの本質は大量生産であっても一品ものの製作であっても同じ。

ああ悩ましい〜!!

などと、最後はほとんどぼやきになってスミマセン!
ところで、明日から16日までお休みします。
で、ブログもその間お休みで〜す。

皆さん、楽しい盆休みを!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年8月10日 (水)

デザイン考3

昨日はデザインの不変性などとたいそうなところへ話を持っていったので、空中分解することとなった(反省)
今日は、もっと足元を見てみたいと思う。

家具のデザインをするとき、できるだけすっきりしたものにしたいと思っている。
以前、お客様から「静かに佇む家具を」とご要望されたことがあるが、まさに、これが自分の目指すところなのだ。

しかし、すっきりした家具、静かに佇む家具・・・いずれの表現も抽象的だ。
文学的には面白い表現だが、これだけではあまり意味がない。
それを具現化するところにもの作りの意義があり、難しさ、面白さもあるのだ。

今までにいろいろと試行錯誤してきたが、最近、最も大事なのは全体のバランスと、細かい造形の作り込みではないかと思ってきた。

全体のバランスとは、キャビネットであれば縦横のサイズ比であったり、テーブルであれば天板と脚のレイアウトなど、椅子はもっと難しく、笠木と背板のバランス、曲率、傾斜角度などなど・・・いっぱいありすぎてどうすれば良いやら?

それでも、これらのサイズや造作を思うままにできればこの世は天国なのだが、家具というもの、実用品であるので、生活と切り離して考えることはできない(当たり前)

キャビネットであれば、設置スペースのサイズは決まっているし、テーブルもリビングの広さに大きく依存する。 椅子は直接体をあずけるものなので、もちろん人間の体格と密接に関係する。

制約だらけの中で、最適なバランスを求めていかねばならないのが家具なのである。

バランス、バランス、バランス・・あぁ〜!!
むずかし!!

 ・・やはり何が言いたいのかワカラン とりあえず つづく・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年8月 9日 (火)

デザイン考 その2

やはり皆さん、デザインについて関心が高いのだろうか、またお問い合わせをいただいた。

デザインを考えると言っても、あまりにも切り口が多すぎてどのようにアプローチして良いのやら、私にはさっぱり分からない。

以前、アールデコ風の家具を作ってくれとの依頼があり、さんざん頭を悩ませたものだが、その際にデザインの潮流についてもいろいろと調べてみた。

デザインにも流行があり、それが時代を作ってきた。
我々が大正時代の家具などを見てレトロな感じを覚えるのは、その時の空気を感じるからだろう。

デザインと時代を切り離すことはできない。
とするならば、不変なデザインなどというものは幻想にすぎないのかもしれない。

しかし、それを幻想として認めてしまえば、その瞬間につまらないものしか作れなくなるような危機感を感じてしまう。

全く矛盾した話で、自分の中でも解決がつかない。
おそらく、この矛盾をかかえたまま進むしかないのだろう。

とまあ、このあたりまでは形而上的な話なのだが、そんなところで逡巡したまま哲学しても仕方がない。
現実に家具の注文は入り、納期は決まっており(最近は遅れ気味で恐縮するばかり・・) とにかく、日々のデザインは待ったなしなのだ。

何をどうする?
苦悩は続く。

なもので、デザインについて朗々と語るようなことはできないのである。
誰か教えてくださ〜い。

このようにデザインを書き始めると、全く支離滅裂の文章になってしまうのだ。
困ったもんだが、懲りずに明日も書いてみようかな・・っと!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005年8月 5日 (金)

デザイン考

木工家志望の方二人からメールをいただいた。

一人は資金計画について・・・

資金・・・最も頭を悩ませる問題。
もちろん潤沢にある方がよいに決まっているが、なかなかそうもいかないのが現実。

しかし、何とかなるだろう・・との安易な考えで開業すると、たいていは何ともならないで行き詰まってしまう。
やはり綿密な資金計画は必須、頑張ってください。

もう一人はデザインについて・・・

デザイン、これまた頭の痛い問題。
良いデザインなんて、あればこちらが教えて欲しいくらい。

デザインをする場合、木工家は自己顕示欲と戦わなければならない。
無垢材では、技法がそのままデザインとして外に現れることが多い。

江戸指物などではこのように技法が表に出ることを無粋と考えるが、ことさら技法を強調するような造作をする木工家も少なくない。 
と言うより、そちらが主流かも?

私としては、このような造作は好まないので、できるだけすっきり仕上げたいと思ったりするのだが、それはそれで難しい。

ディテールが表に出ないと、デザインの決め手は全体のプロポーションそのものになる。
バランスと言ってもいいのかもしれない。

であるがゆえ、脚の太さをミリ単位で悩むことになる。

なので、良い方法があれば教えてください。
ホント!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)