2017年6月15日 (木)

固定概念が崩れる

家具作りは、お客さんのご要望をお聞きしながら、それを少しずつ形にしていくという、、言わばお客さんとの二人三脚で作り上げていくものです。

手作り家具ならではのことであります。

手のかかる、なかなか大変な作業ではありますが、しかし、時には思いもよらない発見があったりして、とても刺激的な体験ができたりします。

そんな例を一つ。

キャビネットの内部照明のことですが・・・
一般的にはそれ専用の照明を準備して、内部配線を引き回し、中間スイッチを取り付け・・という方法となります。

一般的・・・なのですが、内部配線は結構構造的に複雑になり、また、中間スイッチをどの位置に取り付けるのか、そして、配線をどこから引き出すのか、固定はどうするのか、、など、面倒な事柄もずいぶんあります。

決まりきった形なら器具も構造も標準化できますが、手作り家具は一品一様ですので、その都度検討しなければなりません。

数日間、折にふれてずっと考え続けていたところに、お客さんからFAXが。
参考ください・・と書かれていたものを見てびっくり。

\(◎o◎)/!

それは、携帯型の照明。
言わば、懐中電灯です。

が、その形、サイズは、求められる仕様とピッタリ。
しかも、この電灯は壁などに取り付けて、固定ライトとしても使えるというもの。

こんなアイテムがあったのか!!!

家具屋としては、キャビネット照明は専用のものを用いる・・・と言うのが当たり前です。
しかし、よく考えてみるとこれは主客逆転した考え方で、目的はキャビネット内を明るく照らすことであって、決して専用器具を用いることが目的なのではありません。

内部を明るくできるのであれば、懐中電灯だって良いわけです。

さっそく取り寄せてみたところ、予想通りピッタリの仕様で、立派に使える代物です。
価格も極めて安価でコストパフォーマンスに優れており、何よりも内部配線などが不要となるので、デザイン・構造的自由度は格段に向上します。

目からうろこ。
専用照明を用いるという固定概念が崩れていく、心地よいカタルシスを感じてます。
(大袈裟ではないよ)

今も。一つ・二つ、、このような事例がありますが、それはまた追って・・

刺激的体験。
だから手作り家具屋はやめられない。

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2017年6月10日 (土)

手間はかかりますが

試作の結果を踏まえて、本製作。

今のところ順調に行っていますが、これからが大変。
簡単に言うと、幕板でつながれた吸い付き蟻桟を、二本同時並行に締まりバメで差し込むという構造で、木工関連者以外にはなんのこっちゃ? という感じでしょうが、ともかくあらゆる面で細かな精度が求められる構造なのであります。

さすがに一発勝負で決める思い切りはなく、あえてきつめの嵌合にしておいて、鉋で削りながら少しずつ追い込んでいくというやり方です。

なので、その都度桟を入れたり抜いたり。
大変手間がかかりますが、それしか方法はありません(多分)

あと一息で・・・行ける、、かな?

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2017年6月 2日 (金)

ダンボール加工能力

月恒例の出荷を終えて、ホッとしているところです。

家具の移送について、、
大きいものは家具専用の移送便を使います。
これは、配達員さんが丁寧に梱包して持っていってくれますので非常に楽なのですが、宅配便サイズに入る小さなものについては、自分で梱包します。

利用するのは市販のダンボール。
これに入るものは良いのですが、入らないものはダンボールを加工して納めたりします。

ここで問題になるのが、、
宅配便サイズを僅かに超える場合。

三辺合計が160センチ以上になると、宅配便を利用することができません。

サイズが大きく超える場合はどうしようもありませんが、僅かな場合はどうするか?
大型便で送ると、送料が千円単位で跳ね上がってしまう。

(。・_・。)


で、やはりダンボールを切ったり貼ったりしてギリギリ宅配便サイズに収めたりするのですが、これがなかなか大変で、ダンボール加工専用のアルバイトを雇いたいくらいなものでございます。

たまに、、のことであれば良いのですが、このようなケースは意外と多い。
特に、こども関連の家具はこのケースに該当することが頻繁で、毎度大変なのであります。

ある意味、家具作りよりも大変だったりしますな・・・・


今後は宅配便も値上げされることになりますので、送料のコストダウンはより切実な問題となるのは必定。。
私のダンボール加工能力は、今後ますます上がっていくに違いありません。

(´Д`)ハァ…

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2017年5月25日 (木)

レシピ調整中

気温が上がってくると色々厄介なことが起こります。

塗装もその一つ。

弊工房はオイル塗装が標準ですが、このオイルというものはなかなか厄介で、乾燥時間やそれに伴う仕上がり具合も一様ではなく、結構ばらつきがあるのです。

一口にオイルと言っても、オイルの種別によって乾燥時間には数時間から、長くなると数日単位での違いがあり、さらには、同じオイルでも温度や湿度によって状況は変わってきます。

今までいろいろ試してきて、これらについてそれなりにノウハウは蓄積してきたつもりですが、それでも季節の変わり目は戸惑うことが多いのも事実。
塗装は後戻りができないので、緊張しますなぁ。


というわけで、目下塗装中で、並行して塗料のレシピを調整中。
慎重に・・・進めます。


・・・

と言っても、真夏よりはいいけどね~
真夏は大変なのよ、ホント

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2017年3月17日 (金)

勘どころ

勘どころ・・と言うものがあります。

何かを行う時に、どこに注意してどのような手順で行えば合理的、効率的で、失敗なく行えるか・・というノウハウがあります。

勘どころが働く時は、そんなことを特段意識しなくても体が勝手に合理的な動きをしてくれます。

が・・・しばらく休んでいると、たちまち鈍ってくる。
勘が鈍る・・・というヤツです。


木工をやっていると、この勘どころということをひしひしと感じます。
例えば正月休みなど、、一週間ほど休んで仕事を再開したときなど、どうもいまいち動きが悪い。

普段ならなら考えるより先に体が動くところを、いちいち考えて確認しないと次の動作に移ることができない。
はて? どうやるんだったけ? ということになっちゃったりしますな。


久しぶりに学習机を作っています。
半年ぶりくらいかな?

学習机は弊工房でも定番中の定番とも言えるアイテムで、図面を見ることもなく木取りから組み立てまで一気通貫に進めることができます。

しかし、半年ぶりだと、、やはり、、、勘が鈍っているのですなぁ。

あれ?
ここの墨付け、どうだっけ?

オフセットは8ミリだったけ? いや、10ミリだったかな? てな具合。

なので、部分図面を久しぶりに書いて確認しました。
ああ、そうだった、この寸法でこの取り合いだったよな。

このような具合で、ボチボチやっていると徐々に勘どころが蘇ってきます。
こうなると進みも早く、考えるより先に体が動く・・という状態に戻っていくのです。


さて、本日も工程の続き。。
勘どころバッチリで、キビキビと動きますよ~

寒いけど。。

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2017年3月 1日 (水)

椅子づくりのちょっとした試み2

昨日の続き・・

木取りの時、一つのピースで一つのパーツを構成するように原木を切断し、整えるのが通常です。
例えば、椅子の後ろ脚であれば、100ミリ×800ミリの大きさで切り出すわけです。

でも、最終的には後ろ脚は30~40ミリ程度の曲線で切り出しますので、残りは全て廃材になってしまい、その比率は3分の2ほどにもなるのです。

捨てるほうが多い・・・なんとももったいない。
後ろ脚に限らず、このようなことがたくさん起こるのが椅子作りです。


で、考えていた方法というのは、この切り余り材から新たなパーツを作成しようというもの。。

簡単なことのようですが、これがなかなか難しい。
何が難しいのかというと、、、、う~ん、文章で説明するのも難しいなぁ・・・・

ひと言で説明するならば、とにかく工程の進め方が極めて複雑になるということです。
椅子づくりはルーチン化しており、その手順で加工していけば迷いもなく、スムーズに進みますが、上記の試みを行う場合、そのルーチンが根底から覆されることに加え、加工工程に合理性がなくなることが問題なのです。

なので、これまでプランを温めつつも実行は避けていましたが、何事もやってみなければわからないだろう。。
ということで、今回満を持して試してみたのであります。


結果・・

・・・・

微妙 (-_-;)


確かに、材のムダはかなり軽減されました。
しかし、加工上の問題は予想通り、、いや、予想以上だったかも。

今まで同時加工できていたものができなくなったり、墨付けが複雑になったり、仮組確認がやりにくくなったりと、いろいろな問題があることがわかりました。

まあ、最終的には加工も問題なく終わり、組み立てもできたのですが、複雑になった製作工程を時間換算し、トータルで評価した場合に果たして合理的といえるのか??

最大の問題は、天然木を相手にしているので、この新たなやり方がルーチン化できないということ。。
例えば、切り余り部分に大きな節が入っていたなら、このやり方を採ることはできません。

(-_-;)

資源の有効利用という観点から見ると、確かにこの方法は評価できるものではありますが、職業木工として考える場合、あまり工程が複雑になるのも避けたいのが本音。


悩ましいところではありますが、まあ、最初はこんなもんでしょう。
この結果を踏まえて、更なるプランを探っていきたいと思います。

椅子は難しい・・・

でも、

椅子は・・・ 面白い♪


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2017年2月28日 (火)

椅子作りのちょっとした試み

椅子を作ってます。

手作り家具屋にとって、椅子というのは特別のアイテムであります。

とにかく、手間がかかる。
体を直接あずける物だけに、強度の担保は必須で、このため、ホゾなどの各部の構造は極めて高度な精度が求められます。

また、体に合わせて様々な曲線、曲面を切り出す必要があり、この整形に相応の時間がかかるのですなぁ。

さらに、軽量化のためにも材はできるだけ細く、デザイン性のためには流麗な曲線を描くように切り取らねばなりません。

結果、切り落としの端材が多量に出ることとなるのですが、恐らくは端材の方が容量が多くなるほどのものであります。

ここまでの労力と多大な端材を積み上げつつも、売価はそれほど高くできない。
_| ̄|○

そう、椅子は儲からないのでございます(ぶっちゃけ)


でも、、
でも、、

椅子は何と言っても、面白い!!

原木の塊から始まり、最終的に曲面で構成された椅子のパーツを三次元的に組み上げる時の、、あの独特の高揚感は椅子づくりでしか味わえないもので、これが味わいたくてずっと椅子づくりを続けているのであります。。

とは言っても・・・
少しでも収益性を上げることはできないか?? と言う命題も、職業木工では大事なこと。

で、今回、以前より温めていた方法をちょっと試してみました。

つづく。。

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2017年2月15日 (水)

コンセントと許認可

家具に必要なパーツは、最近ではほとんどネット注文です。
便利な時代です。

で、先日、家具用コンセントを購入したのですが、届いたものを開梱して、、あちゃ~

違う。。

必要なのは、電源コード一体式のコンセントなのですが、誤ってコンセント単体を注文してしまったのでした。
まあ、これに電源コードを繋げばよいのではありますが、しかし問題が。。

別体のコンセントに電源コードを繋ぐ場合、これを商品として売る場合は許認可を受けなければならないことが法律で定められています。
これ、同業者でわりとご存じない人が多いように見受けられるのですが、許認可を受けないまま販売すると違法となります。

しかし、コード一体型のコンセントを組み込む場合は、許認可申請は必要ありません。
なので、改めて一体型の品物を注文し直した次第です。


電源コードに限らず、例えばショーケースなどのように、キャビネット内に明りを取り付けることなどもあったりしますが、100ボルトを引き込む場合はそのような設計が法的に問題ないのか? 確認することが大事ですね。

もっとも、最近ではLEDが主流になり、電源も乾電池などで済む場合がほとんどですので、あまり悩むことはなくなりましたが・・・


さて、誤って届いたこのコンセント。。どうしよう???

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2017年2月 7日 (火)

エポキシ接着剤の功罪

接着剤のこと・・・

いろいろな接着剤を使い分けていますが、ここぞ・・という箇所にはエポキシ系接着剤を使います。

エポキシは強力無比な接着力に加えて、充填/肉盛り効果が他の接着剤よりも高く、例えば椅子の脚組などのように、家具の中でも最も強度が求められる箇所にはうってつけの接着剤です。

ただ、難点も・・・

二液性で取り扱いが面倒、、後引き糸引きなどが起きやすく、とにかく塗りにくい。
超高価 (@_@。

そして、硬化時間が長い。

このように、色々と難点があるのですが、高価なのはともかく・・この寒い時期に特に問題になるのは硬化時間が長いということです。

気温が低いと完全硬化まで数日かかることもありますので、この間クランプを外すことができず、極めて手離れが悪い。
まあ、効果時間の短いタイプもあるのですが、これだと夏場は短すぎて作業に支障が・・・

冬と夏で別種類を使い分けるということも考えられますが、でも九州の場合、冬でも春並みの気温になることも日替わりであったりするので、それはそれで厄介でございます。

色々考えると、一種類のタイプを常備し、気温予想をにらみつつ適切な工程を考える・・ということのほうが合理的との結論であります。


で、昨日もホームセンターで数種類のエポキシを前にしばし悩みましたが、結局はいつものタイプを購入。

そして、組み立て中の椅子は、今、クランプにがんじがらめにされて、SM的な様相を示している次第です。

つまづかないよう、気をつけねば。

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2017年1月13日 (金)

突板自作

無垢材は、温湿度の影響で伸縮するという厄介な特性があります。

しかも、この伸縮力は殊の外強く、人為的に押さえ込むことは難しいため、家具の設計に際してはこの伸縮を吸収し、あるいは逃がすことができるよう、構造を工夫しなければなりません。

が、どうしても伸縮が許容できない構造、デザインが必要な時もあり、頭を悩ませる事になります。

このような時、突板合板を用いたフラッシュ構造にすれば問題はありませんが、例えば天板や扉の前板などのように、しょっちゅう手が触れるところに突き板を用いるのは耐久性を考えると少々不安。
突き板の厚みは0,2ミリほどしかなく、フォークなどの硬いものが当たると突き板が破れて地の合板が出てきたりします。


昔は突き板も厚く、0.7ミリほどもあったようですが、スライス技術の向上で薄突きが可能になり、現在のように薄くなったようです。
昔の突板を知る人(訓練校の先生)に聞くと、この厚みの差は極めて大きく、昔の厚突きのほうが遥かに外観品位は高かったとのこと・・
スライス技術の進歩が、品位の低下を招く皮肉なこととなっているのですなぁ。

ちなみに、今でも厚突きはありますが(0.5ミリほど) 基本的には別注となってそれなりの枚数を発注しなければ作ってくれないのが難点で、また、弊工房のように無垢材主体の工房にとって、そもそも突板を使うことはそれほど多くなく、そんなこんなで別注厚板を使うことも困難でございます。

このような時は、自作突板を用います。
いや、突板と言っても突く(スライスする)ことはできませんので、板を挽き割ったり削ったりして薄板(3ミリほど)を作るのです。

これを合板の表裏に強力に貼り付けることで動きを止めるという同業者の方にはおなじみの技法です。
大変手の込んだ技法で、製作には数々の配慮が必要となるため、無垢材をそのまま使うよりも高級な方法と呼べるかもしれません。

製作にはプレスが必要で、あいにく私はプレスを保有していないため、友人の工房にお手伝いいただき無事完成にこぎつけました。

手が込んだ虎の子の一枚。
これをさらに框にはめ込むという作業が必要で、予備がないため絶対に失敗は許されません!

慎重に、慎重に・・・進めていきましょう。

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