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2015年2月18日 (水)

職人のまっとうな道

木工家志望の方がいらっしゃいました。
現役の職業訓練生で、もうすぐ卒業。
卒業後は、即起業されるとのことです。

聞くと、今まで幾人かの先達を訪ねたこともあり、かなり批判もされたとのこと・・

やはり (-_-;)


そうなんですよね、私にも覚えがありますが・・
私も訓練生だった当時、幾人かの先達の工房を訪ねたことがありました。

概ね皆さん優しく応対くださったのですが、中にはかなり辛辣な言葉を浴びせられたこともあり、こりゃなかなか大変だなぁ~と、多少凹んだこともありました。

本来ならば、木工職人を目指すならば高校卒業くらいで何処かの木工所に丁稚で入り、まずは掃除や雑務などからはじめて、先輩たちに怒鳴られながら仕事を覚え、技は盗んで習得し、一人前になるまでに最低10年。

そして、少しずつ顧客との信頼関係を構築し、満を持して独立する。

これがまっとうな道であり、これくらいの修養期間がないと、とても独立して木工で食っていくことなどできない。
それが・・・訓練校出てすぐ独立なんて・・そんなに世の中甘くない。
世間をなめてんのか ヽ(`Д´#)ノ

などと言われたものであります(実話)


昨日の木工家希望氏の話を聞いて、なるほど、今でも同じようなことを言う人がいるものだなぁ と感じ入った次第で、当時の自分と重ね合わせ、ちょっと懐かしい思いもしました。


何が真っ当か? と問われれば、その厳しい木工先達が言うように、まずは相当の修行期間を経るのが真っ当であるには違いありません。
しかし、今の国内での木工業界事情を鑑みて、そのようなまっとうな道を歩むための門戸がどれほどあるのか?
大変心もとない状況です。

また、木工家を志す年齢として、例えば30代くらいでその意識に覚醒した場合、現実的にその年令だと木工所の求人はゼロです。
そのような状況下で木工への思いが捨てきれない人はどうすればよいのか?

そういう人たちが行き着く先が訓練校で、ここでしか思いをつなぐ術はないのが現実であります。

なので、真っ当でないと言われようが、世間を舐めていると罵倒されようが、この限られた針の穴ほどの狭さを抜け、数%以下とも言われる可能性に人生をかける他はなく、この点において木工起業家は総じてリアリストでもあるのですよ。

そうなんです、世間を舐めているのは重々自覚の上で、失敗のリスクと将来が見通せない重苦しい重圧を背負い、それでもなお前に進もうとしているのが木工志願者のリアルな姿で、笑顔の奥に皆そのような悲壮な決意をみなぎらせているのであります。


昨日の方も、とてもバイタリティー溢れる人で、開業後のプランも色々と描いていました。

世間を舐めている?
そう、世間を舐めているのですよ。

舐めていることを自覚し、その上で未熟な自分にどのようなことができるのか?
それを考えていく先に、おそらくは道は開けてくると思います。


ともかく、Tさん、頑張ってください。
ショップがオープンした暁には、冷やかしに行くのでヨロシクね。


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