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2014年4月 9日 (水)

病棟の重い現実

昼食が終わると、お風呂。
小さなお風呂ですが、入浴時間内なら誰でも自由に入ることができます。

ゆっくり湯船に浸かり、洗髪もしてスッキリ。
これが温泉ならばさらに良いのに・・など、勝手なことを考えながら病室に戻りました。

「いや~良いお風呂でした」 と、同室の方に声をかけ、ベッドで火照った体を冷まします。

と、病室内で誰からともなく会話が始まりました。
私以外の方は、おそらくは皆60~70代でしょう・・皆さん陽気で話し好き。
だいぶ長期にわたって入院されている模様で、日々の会話は格好の息抜きになるのでしょうね。

雑談・・と言っても、話はやはり各自の病状のことが主な内容になります。
最初は何気なく聞いていたのですが、話が進むに連れ、これは容易ではないことに気付かされました。

もちろん程度の差はありますが、総じて病状は重い。
将来を見通すことが困難な状況であったり、また、将来にどのような状態になるのか予断ができないなど、聞くほどにその深刻さがひしひしと迫ってきます。

返す言葉も思いつかない私は、相槌を打つのが精一杯。
やはり、これが病棟の現実なのだという、とても重い事実を突然突きつけられた出来事でした。

「俺はね~ もう医者から見放されたんよ。 もう治療法はありません、と、はっきり言われたけんね。 ちょっと前に処置されて少し楽になったけど、これも時間の問題でね。  あとどれくらいか分からんけど、もういいんよ。 諦めた。 俺も71歳。 これだけ生きりゃ十分よ。  退院したらね・・安い葬儀屋を探そうと思っとるんよ ハハハハ」

隣のSさんが、陽気に笑いながら言いました。
自分の状況を運命と言って笑い飛ばす・・これが悟りに至った境地の言葉とはとても思えません。
抗うことのできない現実を突きつけられ、その中で終末期をどのように生きるか?

おそらくは、誰もが必ず将来において突きつけられる命題でしょう。
それを模索するのが病室での会話で、明るく陽気に笑い飛ばすというのが、誰ともなく始まった共通のルールであるのかもしれません。

初日からいきなりカウンターパンチを食らったような衝撃を受けましたが、しかし、入院生活が進むに連れ、再発だの、転移だの、ステージⅣだの、5年生存率だのと言った単語が飛び交う会話にも、だんだん慣れていったのでした。

人の適応力ってスゴイ!


その日、初めての病室で迎える夜。
陽気なSさんは、実は大いびきかきでもありました。

(-_-;)

大きないびきに翻弄され、寝不足で翌朝を迎えることになったのでした。


つづく

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