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2014年4月13日 (日)

手術からICUへ

車いすを押され、扉の奥、左へ曲がると、そこが手術室でした。
大きな扉があり、上に「8」の文字。
8番手術室ということなのでしょう。

8というと、漢数字で書くと八で、末広がりなので縁起がいいかも?
なんて、愚にもつかない事を考えていると、扉が開きました。

中に入ると・・・
手術室ですよ!!

テレビドラマで見たとおり。

天井にはサークル状の大きな無影灯、壁上には50インチ位のモニター画面が複数あり、その他、たくさんの機器類が並んでいます。
脇には手術助手の方でしょうか、、マスクと帽子をかぶった二人が、何やら手術器具らしきものの準備をしていました。

そして、目の前には・・・手術台。
単なるベッドではなく、床屋の椅子のようにあちこちがリクライニングできるような形をしています。

ああ、これは現実なのか?
本当に俺は手術をうけるのか?
これは何かの間違いで、妙な夢を見ているのではないか?

不安と緊張が増していき、頭が現実逃避を始めたようでした。

すると、麻酔科の先生登場。
「おまたせしてスミマセン、麻酔科のAです。 今から準備を始めますので、どうぞ、手術台へ上がって下さい」

にこやかな表情で、世間話をするように言われました。
妙なことに、これで一気に気分が落ち着き、キモが座ったような気がします。
医者の笑顔や、普段と変わらない調子の会話など、大事なんだな~

手術台へ上がると・・・
「では、まず硬膜外麻酔をしますので、右向きに寝て、背中を丸く後ろへ突き出して下さい。 ゆっくりでいいですよ~」

助手の看護師に介助されながら、その姿勢を取りました。
「はい、それでは今から針を挿していきますので、そのままの姿勢でじっとしていてくださいね」

先生の手が背骨をなぞり、位置を決めたようです。
痛いのかな? と、かまえていましたが、さにあらず、ちくりとした痛みすら感じません。

「はい、終わりました。 それでは仰向けになって下さい」

あっけないな・・と思いながら仰向けに。
「では、指先にモニター用のプローブをつけます」
大きな洗濯バサミのようなプローブが左手の人差し指に付きました。

ここで、主治医のM先生登場。
「お待たせしました。 それでは今からはじめますね。 よろしくお願いします」

続いて、麻酔科のA先生・・
「では、今から麻酔を入れていきます。 左手につながっているカテーテルから入れますね」

左手のカテーテールは、輸液点滴のために留置しているもので、カテーテル途中にあるコネクターに麻酔薬をつないで、体内に注入する仕組みです(前日に説明があったとおりです)

「はい、それでは入れていきます。 痛かったら言って下さい」
左手の注射針が入っているところが、冷たく感じます。
ああ、麻酔薬が入ってきたんだなぁ・・とはっきりわかりました。

「大丈夫ですか?」 「ハイ、大丈夫です」

「では、今から口にマスクを当てます。 酸素が出ますので、ゆっくりと深呼吸をするように吸って下さい」

ゆっくり吸い込みました。
そして、ゆっくりと吐き出します。

無臭です。 酸素なんでアタリマエか・・などと考えていたのを覚えています。

そしてもう一度、ゆっくりと吸い込みます・・・
記憶しているのは・・・ここまでです。


「クリハラさん クリハラさん」
呼ばれたような気がして目を開けると、そこはもうICUのベッドでした。

傍らにはカミさんと長男が座っています。

「お疲れ様、終わったよ♪」
カミさんが言います。

終わったのか!
いつの間に。
時間の感覚もなく、夢も見ていません。
マスクで酸素を吸ってから、一瞬後の出来事でした。

意識は朦朧としていますが、腹部には鈍い痛みと重みがあり、確かに手術が終わったことは実感できました。
ああ、終わったんだ、と思うと、また意識が遠くになるようでした。

次に気が付くと、主治医のMさんが右側にいて、
「手術は無事終わりましたので、ゆっくり休んで下さい」
と、言ってくれたように記憶しています。

ああ、やっぱり終わったんだ。
再び眠りに落ちました。

次に気が付くと、看護師さん。
「今何時ですが?」と尋ねたところ、「夜の八時半ですよ」

いつの間に、もう7時間も経ってしまったんだな・・・

また朦朧。
次に気がついたのは、午前四時半。
この時はもやもやもなく、はっきりと意識が戻り、覚醒しました。

そうだ、ここはICU。
手術は終わったんだ。
はっきりと自覚したのですが、これが苦痛の時間の始まりだったのです。


つづく

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コメント

初めてコメントします♪
手術大変でしたねcoldsweats02
私も4年半前に手術を受けてます
頭の手術ですbearing
全身麻酔だったので、麻酔の注射(左腕の筋肉注射でした)はかなり痛かった記憶がありますsad術後1~2年は痛みが残っていましたね(。><。)
脳に軽い障害があってその大元の部分(左海馬の3分の2)を切除する手術でした(もちろん頭蓋骨の一部を開いての手術でした)
とは言っても術後その障害が治った訳ではなく、発作が軽くなっているだけですが…
術後の痛みも相当だった記憶があるので、以前は見ることができたテレビの外科手術のドキュメントシーンもグロくて見られなくなっちゃいましたbearing
術後意識が戻った途端に来た痛みは相当長く続いて、痛みどめを飲みながら最低開けなきゃならない時間を過ぎるとすぐにまた飲むのが1週間は続いていた記憶がありますbearingsweat01
私の病気(頭の障害)は一生治らないけど死には至らないので余命宣告されている方よりは救われていると思って
病気と付き合ってます。

投稿: アスちゃん♪ | 2014年4月13日 (日) 12:36

アスちゃんさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

私も生まれてはじめての手術で、かなり緊張しましたが、全身麻酔の効果は絶大で、一瞬で終了したような思いです。

ただ、麻酔が切れてからは結構大変で、いろいろな管に繋がれて、つらい思いもたくさんしました。

今後は、そのような体験も書いていくつもりです。

ところで、脳手術をされたのですね。
大腸手術とは違ったご苦労があったことと推察いたします。

どうぞ、今後共くれぐれもご自愛いただきますよう、お祈りしています。

またよろしければコメント頂きますよう・・
今後ともよろしくお願いします。

投稿: 栗原@simple | 2014年4月13日 (日) 14:44

コメントレスありがとうございます♪
何気なくココログの最新ブログ一覧を見ていて「手術」ってワードに吸い寄せられて思わず覗いてしまいました(^^;
自分が小さい乳児期の頃から四十何年間頭の軽い障害と付き合ってきて、また頭の手術なんて縁がないと思っていたことを経験していたので、興味をひいてしまいましたcoldsweats01
”カテーテル”、管も懐かしい響きですcoldsweats01
※病気との付き合いにまつわるエッセイも「回顧録エッセイ」としてブログに載せました
(なんかブログの宣伝みたいで嫌らしい感じもしますがcoldsweats01
良ければ覗いて下さい(その代りかなり長編なので本当に読みたい人でないと最後まで読み切らないかも知れませんcoldsweats01
リンク→http://ameonna-slowlife.cocolog-nifty.com/blog/cat23163717/index.html

投稿: アスちゃん♪ | 2014年4月14日 (月) 00:53

再度のコメント、ありがとうございます。

私は50年間、病院とは無縁の生活をしていたのが、今回このようなこととなってしまいました。

結果的には慢性虫垂炎だったのですが、検査途中では虫垂癌の疑いもあり、詳しくは切ってみなければ分からないという状況でしたので、手術前にはあれこれ、様々なことを考えました。

病気になったり、手術したことは大変なことではありましたが、しかし、自分の人生について改めて考える得難い経験であったようにも思います。

アスちゃんさんのブログも、まだ少しですが拝見しました。
人生への向き合い方は各自様々だと思いますが、願わくば病を糧として、お互い今後の人生をより充実させていくことができるようになれば良いですね。

今後とも、よろしくお願いします。

投稿: 栗原@simple | 2014年4月14日 (月) 15:14

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