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2012年12月 5日 (水)

素朴な椅子

新作・・・ではありませんが、前日お届けした作品をご紹介。

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素朴な椅子 と命名しています。

今から5年ほど前・・・
お客様から・・・素朴な感じのする椅子を作って欲しい とのご要望をいただきました。

その時、ちょっと軽くショックを受けたのを覚えています。
と言うのも、それまでは何とかオリジナリティーを出そうとか、画期的な機能を持った椅子にしようとか、とかく色気が先行するようなデザインを繰り返していました。

これは、木工家の方ならば分かっていただけると思うのですが、家具の中でも椅子については思い込みの度合いが一段と深くなります。

椅子については、古今東西、様々なバリエーションが発表され、それらの中には歴史に名を残した名作も数あります。
実用品でありながら、半ば芸術品のように取り扱われるのも椅子特有のことで、モノづくりを手がける人間ならば誰もが抱えているクリエイティブな仕事への憧れをそれなりに叶えてくれるアイテム・・・それが椅子なのです。

有名デザイナーから、駆け出しの木工人まで・・もちろんレベルは様々ありますが、それぞれ固有の椅子に対する思いを持ち、今でも数々の新しい椅子が誕生しています。

ワタクシも、御多分にもれずその端くれだったわけでございます。

そんなこんなで息巻いていた頃、素朴というキーワードにはっとしました。
独創性や、独自性を目指すあまり、いつの間にか実用性よりも芸術性の比重が高くなりすぎているのではないか?

そういう目で改めて色々な家具屋のカタログなどを見てみると、確かにそのようにも思えてきます。

いや、もちろん、そのようなものを求めている方もいらっしゃることでしょうが、反面、生活実用品としての機能をしっかり持った椅子はないものだろうか? そのような思いを抱いている方も少なからずいることでしょう。

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ごく普通の住空間において、デザイナー系の家具は主張が強すぎるでしょうし、かと言って、素朴といっても素人の手作りのようなものでは野暮です。

スタイリッシュでも野暮でもない・・・クラフトマンが作り上げた、生活に根ざした椅子。
クラフトマンシップが垣間見えるようなもの・・木工家として、そのような椅子を作るべきではないのか?

とまあ、大げさに書いてきましたが、そのようなことを思ったのでした。

20121119_019_2


このたび、五年ぶりに別のお客様からご依頼をいただきました。
結婚10周年の記念として・・

大変光栄なことです。

生活に根ざした素朴な椅子、少しでもお引き合いがあるのであれば、これからも変わらず作り続けていきたいと思っています。

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