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2011年5月 1日 (日)

安全か危険か? 2

放射線の人体への影響という、大変なテーマを無謀にも取り上げているのですが、さて、これをどのように書き進めていけば良いのか? キーボードを打ちながら逡巡しています。

実は、調べれば調べるほど分からなくなる始末で、もはやリテラシーもへったくれもなく、最終的には信じるか信じないかというようなイデオロギーや宗教じみたところまで追い込まれてしまいそうです。

迷宮・・の中で迷ってしまいそうになるのですが、私は傍観者の立場ですのでそれだけで済みますが、原発の当該区域にいらっしゃる方々で、特に妊婦さんや小さなお子様をお持ちの方にとってはほんとうに大変で深刻な問題です。

この腹立たしさを、どこに向ければ良いのか?
やるせない気持ちになります。


この問題の本質は、低線量被曝をどのように評価するのか? ということに集約されます。

高線量の被曝が人体に深刻な影響をおよぼすのは自明ですが、低線量についてはその評価が定まっておらず、専門家の間でも喧々諤々の議論が巻き起こっているのが実態です。

問題は複雑多岐に渡り、これを克明に伝えようとすると、専門用語やあらゆる数値データの引用をせざるを得なくなります。
しかし、そのように書き進めると勢い学術論文のような語り口になってしまって、肝心なところが逆に分かりづらくなってしまうというジレンマがあります。


どうしよう?

と、ここまで書いて、なおも迷ってます。


で、思い切って、結論を先に行ってしまうと・・
低線量被曝が人体に及ぼす影響について、現時点でそのデータは得られていません。

つまり、影響があるというデータもなく、影響がないというデータもないのです。

なぜか?

まあ、考えてみると当然のことなのですが、放射線を当てての人体実験など、できるわけありませんよね。
そりゃそうですよ。

なので・・・ データがないのです。


じゃあ、データが無いにもかかわらず、1ミリシーベルトとか、20ミリシーベルトとかの数値基準を一体どのように決めているのか? という疑問が当然のように湧いてきます。

実は、この基準は高線量被爆によって引き起こされた健康被害のデータを参考として、そこからの推定という形で決められています。
では、高線量被爆とは一体何なのか?

それは・・・ 広島と長崎に落とされた原爆による被爆です。

原爆によって大量の放射線が降り注ぎ、それが多大なる健康被害を引き起こしたのは周知のとおりです。
この健康被害を長年調査し、それらから統計データを引き出して高線量被爆と健康被害との定量的な因果関係が明らかになりました。

そして、この高線量下と同じ因果関係が、低線量においても起こりうると仮定して決められたのが現在の低線量被曝基準なのです。


これは、しきい値なしの累積直線モデルと呼ばれています。
なんだかいかめしい名前が付いていますが、つまりは線量が極めて低い状態でも、それをずっと浴び続けることによって被爆量が累積していくと、それに比例して健康被害に至る確率も上がっていくという極めて単純な考え方と言えます。


そして、これは反原発を叫んでいる専門家たちが共通してその主張の根拠としているモデルでもあるのです。


つづく

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