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2011年4月 4日 (月)

スピーディーでない話

そろそろ本来の木工ブログに戻したいと思っているのですが、膠着した原発を見るにつけ、もどかしさとやるせなさを感じる日々が続いています。

原発は、大きなジレンマを抱えたまま大いなる停滞を余儀なくされています。
いや、停滞というよりは後退と言ったほうが適当かもしれませんね。

最も大事な炉心冷却のために、反応炉(圧力容器)への真水注入が続けられています。
注水量は一時期よりもだいぶ減って、今では一日あたり三機合計で60トンほどであるそうです。

注水のためのポンプは外部電源に切り替えられているために、安定的に水は供給されており、この状態を続ける限り、炉心内でこれ以上のメルトダウンが進行することはないというのが専門家たち共通の推定のようです。

ただ、その代わりに、注入した水が原子炉外へ流出し、それが海へと垂れ流しになっているという状況も変わらず、これ自体既に深刻な状態ですが、これが続くと海洋への影響は一体どのようなことになるのか? という、大きな不安がつきまといます。

当局は〇〇の一つ覚えのように(失礼) 海中で拡散するので直ちに健康に影響することはないと繰り返していますが、海流の影響にも左右されるでしょうし、また、この垂れ流しが長期化すればそのような戯言を言っている場合ではなくなってくるでしょう。


この状態を打破するためには早く残留熱冷却システムを再稼動させなければならないのですが、その準備を流出する汚染水が阻んでいるという状況で、目下の作業は、この水をどのように処理するのかということに最大の注力が傾けられています。

もはや敷地内の再処理プールなどでは手一杯で、海上にタンカーを浮かせてそこに移そうとか、メガフロートと呼ばれる大きな人工浮島を曳航して、ここに導こうかなどと、様々な知恵が絞られているようです。

しかし、そのような対策を講じている間にも汚染水はどんどん海へ流出しており、一刻も早い事態収拾が望まれます。
私見ながら、海への流出ルートが出来上がってしまったことで、相対的に空気中への放射能飛散が減っているようでもありますね。
なんとんやるせなく、複雑な思いです。


もうひとつ、前回問題提起をした放射性物質の大気中への飛散の問題ですが・・
放射能の高い飯舘村を退避区域にする動きは相変わらず無いようです。

これについては、今朝、NHKが少し触れてくれました。

まずは、放射能拡散をシミュレートする緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の予測結果によって、放射性物質は同心円で飛散するわけではなく、風向きや地形の影響を受けながら流れていくことが明らかになっていました。

ところが、当初この結果は公表されず、また退避区域は単純な同心円で、SPEEDIの解析結果が反映されたものとはなりませんでした。
まったくスピーディーではありません。

さらに、SPEEDI解析のさらに前に、国が民間の調査機関へ放射能飛散のシミュレーションを依頼しており、そこでもやはり同心円にはならないという結果が出ていたという、新たな事実についてNHKが言及していました。

これら一連の事実を見てみると、初動における国の動きは比較的早かったと思われるのですが、解析結果が出てからの動きはまったく遅い というより、不可解です。

退避区域について、どうして頑なに同心円モデルを堅持しているのか?
いらぬ困難や、最悪事態のパニックを避けるための措置なのか?

この不思議さは日毎に強まるばかりです。


原発の膠着状態は長期化すると思われますので、これからは大気中や海洋へどのように放射性物質が拡散していくのかという調査はますます重要になってくると思われます。

政府にあっては、大本営発表とならないよう逐次データを開示してもらいたいと思いますし、マスメディアや専門機関にあっては必ずチェック機関として正確な解析結果を示してほしいと切に思います。

個人の意見など所詮ごまめの歯ぎしり・・
関連機関の奮闘に期待しています。

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