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2011年4月15日 (金)

原発を読み解くために

終わりの見えない原発事故、冷却水との戦いは果てしない泥沼の様相を呈してきました。

膠着状態のため、マスメディアでの取りあげられる頻度は減ってきましたが、ネットでは熱い議論が続いています。

そして、当然のことながら原発反対派の声が圧倒的に強く、推進派は表立っては意見を表明しにくい状態で、容認派としての言論がせいぜいのようです。

ここ九州でも、昨日は九電の原発をめぐり、将来の電力行政を考える番組が放映されていました。
九電へのインタビューなども織り込まれていましたが、まあ、仕方ないことながら大変に歯切れの悪い答弁に終始しており、電力会社としても今回の事故については相当にショックを受けている様子が透けて見えてきます。

ともかくも、九州の原発依存度は43%とかなり高く、玄海原発のプルサーマル計画なども含めて、今後相当な論議が巻き起こりそうな気配です。


さて、福島事故をどのように捉え、原発をどのように考えるべきなのか?
それが事故発生以来の関心ごとで、ここひと月の間、いろいろな情報にアクセスしてきました。

問題は相当複雑に入り組んでいて、それらが渾然一体となり、さらには感情論が多大に盛り込まれてきますので、これを読み解くには相当の労力が必要です。

このような状況で悪戦苦闘する中で、朧気ながら三つの側面が見えてみました。
これらを別個に検討することで状況を整理し、問題解決の筋道を立てることが出来るのではないか? 
などと考えています。

三つの側面とは以下のとおりです。

 1原発プラントの設計思想や安全管理などの技術的問題について

 2日本の電力事情と、原発の必要性について
  (なぜ原発が必要なのか?)

 3原発をめぐる利権など、政治的な背景について

これらのうち、1の技術的問題については感情論を交えて考えるべきではなく、純粋に技術的な問題として捉え、その是非と今後の対策なりを論ずるべきと考えています。

技術論に感情論が入り込むのは百害あって一利なしと肝に命ずるべきで、両者を混同させることで問題の本質が見えにくくなり、これが”絶対に安全”などという、工学的には全くナンセンスな言説を産み、安全神話という幻想を作り上げる元凶となってしまうのです。


また、2の原発の必要性と、3の政治的な背景については本音と建前が複雑に入り組んでおり、これを読み解くには相当の労力が必要となりそうで、前途多難な様相です(溜息)


情報社会にはリテラシー(情報解析能力)が必要である、とよく言われています。

しかし、言うは易く行なうは難し!
これを今、ひしひしと実感しています。

ネット上に原発情報は無数に溢れかえっていますが、究極の玉石混交で、一体どれが正しいのか? それを読み解く端緒を見つけ出すのも困難な状況です。

どうすれば良いのか???


そのためには、自身の予断を徹底的に排し、イデオロギー色を払拭し、ニュートラルな立場ですべての情報を懐疑的に観る姿勢が必要であると思っています。

どこまでできるのか?
大変心もとない状況ですが、仕事の合間にコツコツと行い、また折りにふれこのブログで書いていきたいと思っています。

有益な情報がありましたら、是非ご紹介くださいませ♪


とりあえず、現段階での私の立場は・・・

原発推進でもなく、原発反対でもない  ノンポリ・・・とご理解いただきますよう。

最後に、福島原発が少しでも好転するよう祈りたいと思います。
また、現場で命がけの作業をしている方々に対して、改めて敬意を表します。


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言いたいことなど」カテゴリの記事

コメント

いつも楽しく拝見させて頂いております。
今回の地震、並びに、それに伴う原発の事故。被災者の方々のご苦労/ご心労を察すると、何とも心苦しい思いです。
しかしながら、正にその「天災」を免れた者とすれば、過度の自粛を伴うことなく、今日一日を誠実に生きる他はありませんよね。
さて、原発の問題ですが、「有益な情報を」とのコメントでしたので、1つ紹介させて頂きます。
私は、中部大学 武田邦彦教授のブログを日々確認し、参考にしています。
氾濫する情報の中、何が真実なのかさえ、素人にとっては見極めるのは困難ですが、私は、私の尺度で同氏の情報を「真」と捉えています。
もし、栗原さんが武田教授の発する情報に未だ接していらっしゃらないのであれば、一度、確認されては如何でしょうか。
なお、同氏のブログにアクセスされましたら、「特設スタジオ」のタブから、原発関連の情報を“順に”確認して頂く事をお勧めします。
栗原さんのファンの一人として、当該情報が、何らかの助言になればと思い、僭越ながらコメントさせて頂きました。
今後とも、ご活躍を期待しています。

投稿: 三女の父 | 2011年4月15日 (金) 22:05

コメントありがとうございます。

おっしゃるとおりで、まさにほんの偶然として震災の被害をまぬがれた者たちの責務として、日々を今まで以上に誠実に生きて行くということが、今後の行動の根底をなすもっとも大事な基盤であると思います。

原発についての情報提供、ありがとうございます。

中部大学の武田教授の言論については、折にふれて参考とさせていただいております。

非常に複雑な原発と放射能の問題を、一般にできるだけ分かりやすく伝える伝道師としての氏の行動には、敬服する思いがあります。

しかし、一方では氏とは逆の見解を述べている専門家がいることもまた事実であり、両者を並び比べるとき、我々素人はその前で立ちすくむのみです。


溢れかえる情報の中で、何が一体正しいのか?

大変不謹慎な発言を許していただけるのであれば、これは壮大な知的ゲームのようでもあり、錆びつきかけていた脳ミソを、アイドリング状態から一気にレッドゾーンへ引き上げていくような興奮も覚えます。

日々の業務の合間のことですので、どれほどのことが出来るか分かりませんが、ポツポツと自身の見解も述べていきたいと思っていますので、今後ともご助言などよろしくお願い致します。

原発問題。
もはや、日本国民にとって避けては通れない大問題だと思います。

共に考えていければ・・・と思っております。

投稿: 栗原@simple | 2011年4月16日 (土) 23:44

私の友人である静岡県袋井市在住の木工家「ディスクリート チェアー」森下真氏がブログで原発関連情報を発信してます。是非一度覗いて見てください。
http://skysaw.blog11.fc2.com/

投稿: デラシネ | 2011年4月18日 (月) 00:01

デラシネさん
いつもありがとうございます(^^)

いろいろな情報が詰まったブログで、大変参考になります。


さて・・・
京都大学、小出裕章氏については反原発運動の先鋒としていろいろなところで取り上げられているようです。

立場上、マスメディアにとっては危険人物と見做されるためでしょうか、テレビやラジオに登場することは殆どないようですが、今やネットの時代・・ you tube や Ustream などでいくらでも氏の論説に接することができます。

今や、反原発の立場の方々にとっては、小出氏の論が金科玉条になっているようでもありますね。

氏の、原発プラントに対する技術的なアプローチについてはなるほど・・と思わせる説得力が確かにあります。

しかし、放射線の人体への影響(しきい値なしの累積線形モデル)や、原発を全廃しても日本の電力事情はまかなえる・・との論については、その主張の根拠となっているバックデーターなどにアクセスすることができませんので、個人的には未だ懐疑的です。

ちなみに、放射線については小出氏と正反対の説を提唱している大学教授や学会なども少なからずあり、いずれが正しいのか?? 素人には手に余る大問題です。

そして、このような人たちは、御用学者として揶揄され、ネット上でさらされ、批判と嘲笑の対象となっていますが、これこそが反原発イデオロギーそのものであり、非常に苦々しく思います。

原子力村 と呼ばれる、政官財の利益共同体のような利権構造があるのは複数の立場の方々からの証言で間違いないようですが、反原発でない教授陣が皆この村の一員で、東電を始め、電力会社から研究資金供与などを受けているなどと明確な根拠もなく断じる事は、常に戒められなければなりません。

原発が長引き、被害が拡大するほど反原発の声は高く、ファナティックになってきます。

だからこそ、少なくとも原発被害の対象外地域にいる人にあっては、より抑制的な態度が求められるように思います。

原発技術も、放射線も 科学的議論のはず。
いずれが正しいのか? その冷静な考察が求められます。


だれか・・フリージャーナリストの方・・

立場の全く違う教授を集めて、ディベートを開いてくれないかなぁ?

投稿: 栗原@simple | 2011年4月19日 (火) 09:53

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