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2011年3月27日 (日)

不透明さは増すばかり

毎日猫の目的に変わる状況と、次々に明らかになる新事実に翻弄されています。
仕事の合間合間の情報収集ですので隔靴掻痒の感もあり、どうにももどかしい。

昨日も高レベルの放射線が検出されたことを書きましたが、それが全く黙殺されている不思議は未だ解決されていません。
今日のニュースで、件の飯舘村で原子力の専門家を呼んでの説明会があったとのこと・・
その専門家は「大丈夫です」との説明をしたらしく、住民も納得したとの報道でしたが、どのような説明がなされたのかについては全く報道は無し。 ううむ(-_-メ)


そして、さらに、原発ではタービン建屋内での被曝と、海水からの高レベル放射能の検出です。

いずれも、半減期8日の放射性ヨウ素が大量に検出されていますので、その源泉は数カ月前に使用済みになった保管プール内の燃料ではなく、反応炉内から排出されたのは素人が考えても疑いのないことです。

私見ながら、このことはある重大な事実を物語っているのではないかと考えています。

東電の説明で、今回の原発の事態は想定外との主張が繰り返されています。
何が想定外なのか? ということですが・・
確かに、地震に対して第一の安全装置である制御棒は正常に作動し、まずは核分裂を止めることには成功しました。

しかし、想定外の津波が第二以降の安全装置を軒並みダメにしてしまった・・
そのために、このような事態を招いてしまった という主張です。

免責を狙っているのか? という感情論はとりあえず横において冷静にこの事態を考えてみると、確かに東電の主張にはそれなりの理があるという思いがありました。

しかし、タービン建屋と、海水への漏出となると話は異なってきます。

特に、海水の放射線濃度は25日に突然上がっていますので、これは重なる余震により配管が損傷し、本来は絶縁されているはずの反応炉循環水路と、海に接する熱交換水路が損傷部分でつながり、そこから放射性物質が海に漏出してしまったと見るのが自然です。

となると、つまりは福島原発プラントは、地震に対しても耐性がなかったことになります。
地震加速度が想定外であったことは聞いていませんので、まさに想定内の震災でプラントの脆弱性が証明されたことになるのではないか?

もはや、想定外との主張は出来なくなるはず。

私見ながら、この事実はとても重く、今後の展開を大きく左右するイベントになるのではないかと思ってます。


ちなみに・・・
想定外の津波との主張についても、その不透明さを告発する意見があります。

自民党衆議院議員、河野太郎氏です。
これは、直接氏のブログをご覧いただくほうが良いでしょう。

興味のある方は、下記ご参照ください。

 原子力をめぐる不透明さ

今回はちょっと批判的な記載となってしまいました。
批判は本意ではないのですが、現場で命をかけている人々に対比して、東電本社や原子力委員会の会見を聞いていると、どうしても事態の深刻度に対する不誠実さを感じてしまいます。

おそらくは、東電幹部、および、原理力委員会には原子力プラントを知るプロフェッショナルがいないのではないか?
観測結果を伝えるだけで、状況の把握や今後の見通しについての定見を持たない会見がどれほど人心を不安にし、いらぬ憶測や猜疑心を呼び起こしているかということを今一度考えてほしいと思います。


原発の深刻な状況は変わらず、いや、むしろ電源が引きこまれたことによって暗闇であったところに薄ぼんやりと光がともり、その光のもとで新たな事実が分かってくるに従って事態はさらに混沌としてきた・・という嫌な雰囲気になってきました。

一時も目が離せない。
祈るような思いは変わりません。


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コメント

お久しぶりです。
遠く離れた福岡の方が、このように真剣にこの問題について語ってくれるのは、東日本だけの問題ではなく日本全体、世界の問題が今目の前で起こっているということだと思います。
津波については、想定外ではなかったと思います。想定の端っこにはあったんです。でもその確率は非常に小さい。
想定内のことに全て対応していると、莫大なお金がかかってしまうから、端っこの方は見えなかったことにするんです。
むしろ、非常用電源も含めて、全ての電気系統がやられてしまうということが想定外だったのだと僕は思っています。どんなにすごい地震や津波でも一つくらい動くだろうって思っていたのでは?
例えどんな被害があっても、冷却材喪失事故なんて起こるわけがない。そう思っていたから、原発は安全と言っていたのでしょう。

外部に出た放射性物質の量から考えると、たぶんメルトダウンしているでしょう。格納容器も損傷しているはずです。

あとはもう最悪の事態にならないことを祈るばかりです。

投稿: jucon | 2011年3月27日 (日) 13:59

juconさん、ご無沙汰です。

今回の出来事は、戦後の日本において最大の国難であり試練でもあると思いますので、東も西も関係なく、日本全体として受け止めていかねばならない問題と捉えています。

想定内、外ということについては、私はちょっと考えは異なるのですが・・

想定外という東電の主張は、おそらくその通りだろうと私は思っています。

伝え聞くところによると、福島原発の設計に際して、津波の防波対策については過去最大であったチリ地震における津波と同等を想定し、7メートルまでに耐えうる防波堤を作っていました。

ところが、襲ってきた波は倍の14メートル。
自然の猛威の前には為す術はなかったということなのでしょう。

これが想定外だったことは、原発以外にも、茨城、福島、宮城、岩手において、世界一津波対策を施していたはずの海岸線が軒並みやられてしまった事実をありのままに捉えると、やはり今回の津波がとてつもない規模であったことが分かるように思うのです。


ただ、それによって東電が免責となるはずはありません。

調べてみると、ディーゼル非常発電機は二機とも海側に建っており、また、排気用のダクトはなんと海側を向いていたとのこと、これが海水を引き入れ機能不全に陥ったのでしょう。

また、外部に引き出す送電線は変電所を一箇所しか経由していなかったようで、この変電所が地震で倒壊したため、外部電源を頼ることができなかったなど、その安全設計について疑問を感じるところも多々あります。


つまりは、自然をなめていた。
自然の猛威の前には、人智などは全く及ばないことだったということなのかもしれません。

放射能について・・・
juconさんが言われるように、メルトダウンは必至の状況であると思われますので、あとは最臨界が起きないことを祈るのみです。


無信心で罰当たりな私ですが、今回は神にも仏にも祈りたい思いです。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月27日 (日) 21:27

中日新聞の2面に、かって福島原発の設計者だった方が完全に設計ミスを認め、個人的に日本中の原発に、即時運転の中止を要請するFAXを送付したそうです。
確実にメルトダウンしているであろう原発状況を東電も政府も国民に対し的確な情報開示をしていません。
最悪の事態にならないことを祈るばかりです。

投稿: デラシネ | 2011年3月27日 (日) 23:48

デラシネさん・・
重ねての情報提供、ありがとうございます。

設計ミス・・と言うのは穏やかではないですね。
どうのような記事なのか? 中日新聞のwebを見てみたのですが、残念ながら見つけることができませんでした。

ううん、気になります・・・

メルトダウンについては、放射性ヨウ素やセシウムが検出されていることである意味明らかになっていると思うのですが、燃料棒全体が溶解し、それが圧力容器の底に溜まるような危機的状況なのか? ということが直近で危惧される最大の関心ごとですね。

ただ、これについては、反応炉の中を直接確認することができないようで、政府・東電が隠している・・というよりは、彼らも確認できない・・ということではないのかな?? と、思っているのですが。

ううむ (・・? どうなのでしょう?

いずれにしても、再臨界と暴走だけは何としてでも避けてもらいたい。

炉心冷却装置が、一刻も早く昨日を回復することを願うのみです。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月28日 (月) 00:36

私も、それが知りたいと思っていたことなので、3月23日付けの中日新聞は手元に残してあります。設計を担当した東芝の元社員二人の取材内容を、かいつまんで記してみます。

1)商業用の沸騰水型軽水炉の建設が始まろうとしていた時期に、1971年から順次福島第一原発1~3号機、5~6号機の設計に参加。
2)当時は、マグニチュード8以上の地震は起きないと言われ、大津波は設計条件に加えられなかった。東電は土木学会の知見から最高5.5mと想定していた。
3)当時の日本で原発は未経験分野。1,2号機を受注した東芝も担当したのは部品設計。プラント全体は、ゼネラルエレクトリックが受注していた。そのため地震多発国特有の条件が反映されず、日本からの提案は難しかった。
4)3号機からは、GEに頼らない「原発の国産化」が目標に。東芝と日立が受注するも実態はGEとライセンス契約を結び、規格を踏襲。東電からは、3号機以降も慎重に同じように作るよう指示されていた。
5)事故や地震で原発のタービンが壊れて飛んだり、航空機が落ちて原子炉を破壊する可能性も想定したときの安全性を検証したが、上司からは「原発が数十年しか稼動しないのに先年に一度とか一万年に一度とか、そんな想定してどうする」と一笑に付された。

技術者の目には、今日の惨事が見えていた部分があったのかも知れませんが、他の様々な技術の進歩と同じような歩調の段階にあったことも事実でしょう。

失敗に学び、それを足がかりに進歩する。

しかし、それが原子力にあっては、許されない失敗につながっている今日の状況は、設計段階の問題ではなく、その後に起きた1979年のスリーマイル、1986年のチェルノブイリを他山の石として、どこまで真摯に受けとめたかという問題に帰趨するものと考えています。

報道される内容は、活字も小さくなり、静かなものになっていますが、事態は深刻化を増しているように思えるのが心配です。

投稿: kagerou | 2011年3月29日 (火) 22:29

kagerouさん、詳細な記載、感謝です。

なるほど、生々しい証言で、その場の雰囲気が伝わってくるようですね。

今回の問題については、地震や津波の強度について、その予測を甘く見ていたという根本的な間違いが主原因ではありますが、副次的な要因として、当時の設計主体であったGEと、それを受け取る立場であった東芝、日立、そしてオペレーターとしての東電側の運用方法にも指摘されるべき点が多いように思います。

地震が起こってからの初動対応について、今色々と批判が巻き起こっていますが、確かに補助バッテリーが駆動していた8時間の間にどのような現場の知恵が働いていたのか? ということは、今後じっくりと検証されなければならないでしょう。

しかし、知恵を働かせようと思っても、その対象を熟知していなければかなわないことで、そのあたりどうなのかなぁ? と思っていたのですが、これで疑問が解けました。

つまりは、東電側はほぼ完全なオペレーターであったということなのではないか?

彼らにとって、プラントはGE設計のブラックボックスであり、マニュアル通りに運転している限りは問題ありませんが、マニュアル外の有事となったときに、非常時にあって知恵の働きようがなかった・・ということなのかもしれませんね。

このような話を聞きました・・

電源確保のために、電源車が50台来たそうなのですが、その中で使えたのは一台しかなかった。

何故か?

GE設計であったため、なんと、駆動電圧は400ボルト!
日本は100ボルトですので、合うはずがありません。

基本的なことのようにも思うのですが、これですら判断ができなかった。


今現場で過酷な作業をされている方に対しては過酷な言葉となってしまいますが、kagerouさんがおっしゃるように、過去の失敗に学ぶという姿勢を持って日々の知恵を涵養していれば、また違ったストーリーになっていたのかもしれません。

そう、スリーマイルも、チェルノブイリも、その発端は作業員の操作ミスが原因となったのですから・・・


今日、原発についてNHKはかなりの時間をさいていました。

ちょっと、嫌な予感が・・・しています。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月30日 (水) 22:39

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