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2011年3月30日 (水)

信じられるか?

反応炉(圧力容器)内の水が漏れ出していることは、タービン建屋などで見つかった水からヨウ素131が見つかったことで明らかになりました。

ヨウ素131は半減期が8日と寿命の短い核種ですので、数カ月以上も前に使用済みとなった燃料内にはほとんど含まれていないはずで、つまりは反応炉の中から漏出したものでしかあり得ません。

つまり、反応炉→格納容器→タービン建家やトレンチ へと至る漏水路が出現したことになり、反応炉に注水をする限り、漏水が発生し続けるという厄介なこととなりました。

しかし、注水をやめることはできません。

注水で反応炉内の温度を下げるのは火急の要請で、これができないと炉内が空焚きとなり、最悪の場合再臨界となって核反応が再開し、暴走する恐れもある悪夢のシナリオとなっていきます。
なので、炉内注水をやめることは絶対にできず、しかし、注水をすれば放射能を持った水が流れ出すという大きなジレンマを抱えることとなっています。

昨日は原発敷地内の土壌からプルトニウムが検出されて騒ぎとなりましたが、驚くには値しません。
反応炉内から、水蒸気や漏水の形で放射性物質が放出されていますので、今まで発見されなかったことが不思議なくらいです。

これについては未検証ながらウラ話があります。
一昨日のことですが、東電がプルトニウムが検出できる計測器を持っていなかった、あるいは使っていなかったことがジャーナリストの指摘で暴露され、それがUstreamに流れるという出来事がありました。

プルトニウム検出の報はこの出来事の翌日のことでありますので、状況を素直に見ると、どうやらこの話は本当のことのようですね。

でも、まあ、この期に及んでは、この程度のことは取るに足らない問題なのかもしれません(溜息)


原発状況については、東電や政府などが情報を隠蔽しているとか、あるいは捏造しているなどという陰謀論があちこちで指摘されています。

真偽はもちろんわかりません。
特に、原発内で起こっていることや、原発内の放射線濃度などについては、そのソースは東電などのものしかデータがないので、いかんとも判断しがたいことだと思います。

しかし、数日前のことですが、東電が発見された核種の種類を誤って発表するといった珍事がありました。
誤りのデータは反応炉内で再臨界が起こったことを示唆するようなものであり、これが事実ならば極めて深刻な事態になっていることを証明することになります。

陰謀説を取るならば真っ先に隠蔽しなければならないような情報であるはずで、これを誤ったまま出してしまったということは、その影響度などを考慮する冷静さを欠いていたことの証左となるように思います。

一般に、データを隠蔽したり捏造したりすることは、そのデータを解析する以上の労力が必要です。
一つのデータを捏造すると、必ず次から次へと矛盾のほころびができてくるのが常ですので、捏造などに際しては全体を俯瞰しながら矛盾点が現出しないようにするという細心の注意と配慮が必要で、言うなば全智を尽くした悪知恵を働かせなければなりません。

ところが、この珍事です。
データ解析を誤り、また、その誤ったデータがとんでもない混乱を引き起こす爆弾となることについてのいささかの配慮もなく発表してしまったということは、悪知恵を働かすどころか、冷静な判断をすることすらままならない内部の混乱が見えてくるようです。

このような状況を見ると、東電側の発表にはウソはほとんど含まれていないのでないか・・
大部分はありのまま正直に発表している・・
と、私見ながら思っています。

陰謀説はセンセーショナルですし、話としては俄然面白くなるのですが、陰謀説を取るならば状況はいくらでも作り上げることができ、それが逆に混乱を引き起こすことにもつながっていきます。
東電が信用できないと決めつけ、安易に陰謀説に肩入れすることは状況をますます悪化させることになりますし、また、もちろん炉内温度を下げることにも何も寄与しません。

伝える側を責めるならば、受け取る側もしっかりと自省をし、自らを律する必要がある。
常に言われているリテラシー(情報解析能力)が受け取る側に今本当に試されている と、思うのです。


続く


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コメント

福島原発事故、
時間の経過と共に事態が好転すると思いきや
益々状態悪化の坂を、ころげ落ちている様です。
新聞に「福島原発現場作業員 日当40万円で募集」と載っていましたが、何だかリアルですね。
米国が自国民に対して、いち早く80キロ圏外への移動を指示したのも、
今となると原子力の怖さを一番熟知している国の対応として納得できます。

私が住む街から直線距離で40キロ程のところに浜岡原発があります。
昨日、浜岡原発で避難訓練があったそうですが、実態は放射能漏れを想定しない訓練だった為、
あまりの危機感の無さに地元の御前崎市や県からもブーインが上がっています。
日本の電力会社は一応民間と言っても、お役所体質陥って、9電力会社は何処も同列に
危機管理能力欠落症にかかっていると推測します。

通販会社「カタログハウス」が、5年以上前から活断層の真上に位置する浜岡原発の危険性を指摘して、
廃棄に向けての署名運動を展開しています。

私が懇意にしている内科医の方が、
15年位前に「浜岡地区での白血病発生率の数値が異常に高いのは県の医師会では常識だよ」
と言っていたのを最近思い出しました。

本当に今こそ、情報解析能力が必要になっていることを痛感します。

投稿: デラシネ | 2011年3月30日 (水) 08:52

圧力容器が破損していることは間違いないと思うんですが、使用済み核燃料からヨウ素が出ないというのはどうなんでしょう?
貯蔵プールにもう水が満たされていることは確認されているんでしたっけ?
使用済み燃料もメルトダウンをすれば、再び核分裂を始めることもありますよね?
もう、にわか知識がいっぱいで、自分の頭でも整理があまり出来てないんですが、使用済みでも安全とは限らないのではと、ちょっと疑問に思ったのでコメントしてみました。

投稿: jucon | 2011年3月30日 (水) 21:56

デラシネさん・・
日当40万円!! そんな求人が出ているのですか(驚)
これは、なんと言っていいのか・・本当に生々しいですね。

米国はスリーマイルの事故以来、3マイクロシーベルト/時以上で、50マイル外へ退避という基準があるそうで、それを適用したということなのでしょう。

アメリカも、ロシアも、国土が広大ですのでこのようなことができるのかもしれませんが、少なくとも非常時の基準が明確ということは評価できます。

さすが、原発事故を経験した国です(苦笑)


浜岡原発・・
こうなると、確かに不安な存在ですね。

プレート型地震ならば東海地区は警戒区域に当たりますし、活断層が走っているのなら危機は二重になります。

浜岡原発が避難訓練を行なったということはニュースで見ましたが、そのような内容であったとは・・
これでは、パフォーマンスと見られても仕方ないですね。

ここ九州にも玄海原発がありますので、私も他人事ではありません。

九電には何人か友人がいますので、今度問い詰めて(笑)みます。
なんか、秘密をしゃべってくれるかも?


白血病の発生率・・
これも穏やかではない話で、いろいろなことを含めて、我々自身が知識を吸収し、考えを深めていかねばなりませんね。

今回の事故は、それを本当に思い知らされることとなりました。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月30日 (水) 22:54

juconさん こんにちは。

使用済み核燃料は6千本ほど保管されているらしいですが、いずれも、少なくとも数ヶ月前以上に炉から取り出されたものですので、半減期の短いヨウ素131はほとんど含まれていないはずです。

また、貯蔵プールへの散水効果が上がっていることは、もちろんプールの水を直接確認することはできませんが、傍証として各地の大気中放射線量がすこしずつ減少していることで、その効果は判断できるように思います。

使用済燃料が再臨界となるかについては専門家の間でも意見が分かれているようですが、問題となる崩壊熱は炉内燃料よりもはるかに低いので、メルトダウンを引き起こすところまではいかないのでは? という意見が主流のようです。

メルトダウンしなければ、もちろん再臨界もないということになります

いずれにしても、今の散水が続けられる限りは、使用済燃料に対しては一定の冷却効果があると考えて良いのではないかと思います。

それよりは、今の問題は圧力容器です。

本文では書けませんので、コメントとして記します。

圧力容器内では既にメルトダウンが進行して、それが圧力容器と格納容器に穴をあけてしまったのではないかという傍証があり、ただいまそれを検証中です。

メルトダウンの温度は2800度ほど、鋼鉄製容器の耐熱は1500度ほどですので、メルトダウンした燃料が容器の底に落ちるとひとたまりもありません。

容器二つに穴が開いている。
となると、どうして圧力容器内の水量が上がらないのか、どうしてタービン建家などにあれほど大量の水が流れ込んでいるのか? という疑問が綺麗に解けます。

枝野官房長官は、メルトダウンの可能性は否定はできない・・と発言しました。

ならば、メルトダウンは既に起きて、かなり進行している・・
今は、発表のタイミングを伺っているのではないか? とも、考えられます。

いや、あくまでもこれはまだ推測なので・・
コメント欄の独り言として・・流してください。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月30日 (水) 23:14

詳しくご説明ありがとうございます。
いろいろまだ疑問もありますが、それは僕の勉強不足かもしれないですし、ここでやりとりするのも難しい。(笑)
ご近所ならば、直接お話しをしたいところです。

ついでなんで、僕も独り言を。
メルトダウンについては、今の時点でしてないということの方が無理がある気がします。
2号機については、格納容器の下部分で爆発があったという話を聞きましたので、破損している可能性は高い気がします。

メルトダウンしていて、格納容器に穴があいているとしたら最悪ですね。

投稿: jucon | 2011年3月31日 (木) 00:00

官房長官もコメントを出していますので、メルトダウンは間違いなく、問題は、その程度がどれくらいかということに絞られそうですね。

2号機、格納容器の爆発についてもその後報道がされなくなりましたが、メルトダウンした核燃料が圧力容器を突き破り、格納容器下部に溜まって局所的に水蒸気爆発を起こしたものかもしれません。

おそらく、格納容器内部や、容器したの立て屋にも大量の水が溜まっていると思われますので、ここに近づくことはかなわず、
従って正確な状況把握もできない。

なので、どこまでも推測しかなく、推測で発表はできない・・ということで、政府も東電も沈黙をしている、と考えられますが・・・

嫌な予感がしますね。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月31日 (木) 12:09

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