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2011年3月19日 (土)

原発はどうなるのか3

昨日の続きです。

・反応炉内部への水注入

とにかく、反応炉内の温度を下げなければならない
そのため、消防車などの外部ポンプを利用し反応炉内に水を注入するも、内圧が高くてうまく入らず

そこで内圧を下げるために、反応炉のバルブを開け水蒸気や水素を逃がすベントという作業を実施
ベントにより、放射性物質を含んだ水蒸気や水素が外へ出てくるが、反応炉保護のためにはやむなしとの判断

逃し過ぎると放射性物質の飛散量が多くなり、逃しが足りないと冷却水が入らないという究極の選択とバランス
これを停電中の暗闇のなかで、高レベルの放射線が飛散している環境下で手動で行っている方々の労苦と恐怖は計り知れない

ともかくもバランスをとりながら、現在も水(海水?)を注入中(のはず)
これについては、全く報道がされなくなった
喉元過ぎれば・・というマスコミの悪い癖?


・格納容器内への海水注入

さらに、冷却をより万全のものにするために反応炉の外側を覆っている格納容器へ海水を注入することを決断
反応炉、格納容器共に水で満たしてしまおうという考え方

格納容器は容器という名前が付いているが、実は高さ40メートルほどもある巨大なもので、容器というよりはちょっとしたビル程の大きさ
ここを水で満たすためには、無尽蔵にある海水を使うしかない
ただし、鋼鉄製の容器を海水で満たせば腐食などの影響でその後の復旧は困難

ここで、東電は廃炉とする決断をした
この廃炉の決断が鈍ったために対応が遅れたという指摘もあるが、真偽は?

ところで、これについてもその後の報道がされていないが、格納容器への海水注入は果たして行われているのか?

実は、これが行われているか否かが、今後の推移が楽観的になるか、悲観的になるかの分かれ道になる実に重大な問題
マスコミ、しっかり報道しろ!


・格納容器の耐水圧は?

以下は、海水注入がなされているという前提で進める

高さ40メートルの格納容器に海水を満たせば、その底部には大変な水圧がかかる
水圧如何によっては、格納容器を破壊するということにもなりかねない

人によって、容器の耐水圧と水圧との比は1:1だという人もいるし、7:4だなどという人もいて、これについてはよく分からないが、ともかくも格納容器が持ってくれることを祈るばかりである


・行き着く先は?

反応炉の冷却がうまくいかず、内部の温度が上がり続けると燃料棒の溶解(炉心溶解)がさらに進み、また、水蒸気による圧力もさらに高まる

高温高圧下でもっとも恐ろしいのは、これによって再臨界となり、今停止している核分裂反応が再び始まって暴走することである
臨界を超えた核分裂は急激に反応が進み、爆発的なエネルギーが水蒸気圧を極限まで高め、反応炉を吹き飛ばす

これが水蒸気爆発で、その破壊エネルギーは建屋を吹き飛ばした水素爆発よりも遥かに大きい

この時、吹き飛んだ反応炉の外側にある格納容器がその後の運命を左右する

格納容器に海水が満たされていれば、それが爆発を吸収するクッションとなる
また、反応炉が爆発したことによって温度圧力が共に急速に低下し、さらに海水に添加されるホウ酸の効果も相まって核分裂反応は停止

飛び散った核燃料(放射性物質)は、格納容器内に閉じ込められて事態は収束する


一方、格納容器内に海水が満たされていなければ、水蒸気爆発は反応炉と格納容器をも同時に吹き飛ばす大爆発を引き起こし、放射性物質を大気に撒き散らす最悪の結果となる

チェルノブイリの再現である


ここまで書いてきましたが、実は最後に行き着く先がどのようになるのかということについては、これら以外にも色々なモデルが想定されています

最も悲観的なモデルはあまりにも恐ろしくて書くのがためらわれるほどであり、これがどの程度の信ぴょう性があるかも分からないので、いらぬ風評を広げぬためにも書くのをやめました。

ところで、圧力容器内の炉心溶解などの問題に右往左往している間に新たな問題が生じてきました。

使用済み核燃料の問題です。

明日書きます。

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コメント

最も悲観的な場合も、知りたいです。
いつも最悪なケースも想定できれば、海外機関への働きかけなどもできるのでは?
日本人は政府も国民も可能性を直視しなければと思います。目を背けたくなるのはわかりますけど。。。

投稿: | 2011年3月19日 (土) 13:51

コメント氏のお名前は分かりませんが、ありがとうございます。

原発は、現在消防による注水と、また、外部電源の引き入れが急ピッチで進んでおり、私としてはこれに望みを託しています。

このため、今はこれを見守っていきたいと思っています。

最も悲観的なシナリオについては、事態がある程度収束した時点で(その時が来るのを願っていますが)また改めてコメントさせていただくことでお赦しください・・

なお、政府や東電、また、設計担当である東芝の技術陣は、当然これら様々のモデルを考えた上で、ベストな方法をとっていることを信じたいと思います。


ご要望にお応えできず大変恐縮ではあるのですが、ご理解をたわまることが出来れば幸いです。

投稿: 栗原@simple | 2011年3月19日 (土) 15:25

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