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2011年3月23日 (水)

放射線のことが知りたい2

新聞に、毎日各地の放射線量が掲載されています。
これは、モニタリングポストと呼ばれる計測器を使って、空気中の放射線量を計測したものです。

単位は、シーベルト毎時 
つまり、一時間あたりの放射線量ということになります。

例えば、一昨日、某市で観測された放射線量は 7.1マイクロシーベルト毎時 でした。
問題は、この数値が安全か? 危険か? ということです。


この判断をするためによく使われているのが、人が年間に自然に浴びている放射線の量や、レントゲン、CT、あるいは東京からニューヨークへ飛行機で飛んだ時の放射線量などとの比較です。
これらと比較しても今飛散している放射線は極めて低いので、安心してください・・と連日言われていますよね。


できるだけ分かりやすくするための比較なのでしょうが、どうも、皮肉なことにこれが混乱を引き起こす元凶になっているようです。

と言うのも、
観測されている放射線量は 一時間あたりの量で・・
比較となっているのは 年間の量ではないか・・ 

比較となっているのは、人が年間に浴びる量であり、また、レントゲンなんかも年にせいぜい数度のこと・・
つまり、比較とされているのは年間尺度で、それを時間尺度と比べるのはナンセンスという主張です。

なるほど、これはもっともなことです。

なので、比較のためには時間尺度を年間へ変換しなければならない。
つまり、一時間あたり7.1マイクロシーベルトならば、これを年間換算するには 24時間×365日をかけなければならない という考え方です。

確かに、そのとおりです。

電卓があれば誰でも計算できますので、私もやってみました。
すると、なんと年間自然被曝の26倍というとんでもない高い値となり、これは安全どころか危険極まりない数値となるのです。

これが、大騒ぎのもととなっており、危険性を主張する人は総じてこのロジックでその危険性を声高に叫んでいます。
この危険性を隠すために、政府はわざと年間尺度を持ち出して問題をみえにくくしているのだ と。


一見最もらしく思えるこの主張、果たしてどうなのでしょうか?
危険性を隠すためにしては、小学生にも見破られるようなお粗末な話のようにも思えますが・・?


調べてみました。
すると、問題はそれほど単純なものではないことがすこしずつ分かってきました。


放射性物質は、空気中の塵などにひっついて、大気の中をゆらゆらと風に乗って漂ってきます。
これがモニタリングポストのところまで漂ってきて、〇〇シーベルト毎時 と観測されるわけです。

そして、このモニタリングポストの横に人間がいると、この数値で被爆することになります。
ただ、ここで良く考えなければならないのは、これは放射性物質が体に直接付いた場合の被爆量であるということです。

裸で外を歩く人はいませんよね。
人は皆服を着ています、なので、放射性物質は服にあたることになります。

今問題になっている放射性物質はヨウ素131で、これはベータ線という放射線を出しますが、この到達距離は極めて短く、1~10センチほどであるということです。

であれば、服の表面から皮膚へ至る数センチの間で、放射線量は急激に減少します。
距離の二乗に反比例しますので、ちょっと計算してみると、数分の一から、数百分の一以下まで減衰するという結果となります。

つまり、服を着るということがかなり有効な防御壁となるのです。

また、家の中に居れば、到達距離の短いベータ線はほぼ完全にシャットアウトできます。


さらに、ベータ線(電子線)は電荷を持っているため、水に接すると急激に減速します。
このため、放射性物質が皮膚に直接付いた場合でも、人間の細胞の70%は水ですので、ベータ線は皮膚下2ミリ程度でストップし、それより内部に入ることはないということらしいです。

なので、もちろん内臓への影響はありませんし、皮膚への問題については観測されたくらいの数値であれば問題はないとの結論が一般的です。


また、反対派の方々の主張の根拠は、時間あたりの放射線量を積み上げていくと年間では危険な数値になる・・ということですが、これはある大事なことを見落としています。

時間あたりの放射線量はマイクロ単位でたいへん小さなものです。
たとえこれでDNAが傷ついたとしても、DNAには自己修復機能がありますので、これが働いて常に正常な状態に戻しているとのこと(某大学 放射線科の見解)

つまり、放射線量が極めて弱い環境下にあってはDNAの自己修復機能が働くため、単純な積み上げ算で危険性の評価はできないということです。

世界にも数少ない原発事故で、また放射線の人体への影響という大変複雑でデリケートな問題を扱うに際しては、物理学、工学、生物学、医学などの角度から多面的なアプローチをする誠実な学究的姿勢が求められるように思います。

それに照らしたとき、反対派の主張する積み上げ危険論は、論理として若干粗雑であるという印象を拭うことができません。


それにしても・・
我々のDNAは、生存のためにあらゆる外乱に対して気の遠くなるような時間をかけて防御体制を築きあげてきました。
生命とはなんと偉大なものか と、これを調べながら改めて感心した次第です。


なお、なんども繰り返しますが、これはド素人が仕事の合間合間にあれこれ斜め読みしたものをまとめたものです。
話半分に聞いてくださいね。 そこんとこ、お願いします。


続きは明日

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