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2010年3月 6日 (土)

同業者なら

先日のこと・・・

朝、電話がかかってきた。
今から工房訪問したいとのこと。

ご用件は? と尋ねると、家具の相談との由。
となると、お客様!

もちろん、大歓迎でございます。
あわてて準備。


弊工房には、ショールームなんて場所はない。
保管スペースは、仕掛品や、出荷待ちの作品でいっぱい。

それをパズルのように並べ、積み上げ、テーブルと椅子を準備して打ち合わせのスペースを作る。

そして、お出迎え。


ところが、このお客様、工房前で立ち止まり、しげしげと機械を眺めたり、あるいは材木の山を見たり。

???

保管スペースでは、仕掛品の裏を見たり、下を覗き込んだり。

「この機械はどこから購入したのですか?」
「材木はどこから仕入れているのですか?」
などの質問も・・・

どうも・・いやな予感。

聞いてみる。
「あの、家具のご相談と伺いましたが、どのようなものをお考えでしょうか?」

すると、ちょっとバツのわるそうな顔で、
「実は、私も家具を作っていまして・・」


やっぱり! 同業者。

まったく・・と思いつつも、もう招き入れてしまったものは仕方がない。
しばらく話に付き合って、お引取りいただいた。


いや、別に、同業者の訪問を嫌悪しているのではない。
むしろ同業者は歓迎する構えだ。
いろいろな情報交換もできるし、お互いに刺激にもなる。

愉快でないのは、客を装ってくることだ。
ご成約への期待が高まっているだけに、その反動で脱力感も大きい。

そして、実は、このようなことは今回が初めてではない。
稀にだが、このような人物はいるのだ。

偵察なの?
まあ、別に私の工房に秘密なんてないから、来ても仕方ないと思うんだけどねぇ。


この、招かざる訪問者のために、ほぼ半日近くを棒に振ってしまった。
同業者なら、これによって工程が乱れることの打撃がどれほどのものか、容易に想像がつくはず。

特に、天気が不安定のときは、パズル的に工程を組まざるを得ないことがあったりする。
そのような時に工程に狂いが生じると、パズルの一片が外れたために、全体が瓦解するほどの影響を及ぼすこともある。

だから、このようにシビアなときは、例えお客様であっても、大変恐縮ながら訪問をお控えいただくこともある。

同業者なら・・・分かるはず。


同業者の方、そして、木工家志望の方へも・・
訪問は、歓迎します。

ただ、必ず事前に、素性と訪問の目的を明らかにしてくださいませ。
お客様を装っても・・分かるよ!

同業者なら・・それも分かるはず。
そう、木工人は、かならず特有のオーラを放っているものなのだ。

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コメント

ひどい話ですねえ。
その人、最低ですねえ。
うちも同業者らしき人の訪問はちょくちょくあって、素性や目的を言わずに帰る人も多いですが、やっぱりすぐに分かります。
が、電話で家具の相談をと言ってとまで客を装って来た人は、さすがにいません。
一体何を考えてるのか!
迷惑だということくらい分かるでしょうに。
他人事ながら腹が立ちました。

投稿: 齋田 | 2010年3月 8日 (月) 20:18

いや、参りました。

私は同業者を拒絶しているわけではないので、きちんと名乗ってくれれば歓迎するのになぁ。

でも、客を装っても一発で分かりますよね。
目は泳いでいるし、見ているポイントが違いますものね。


昔は、突然来て、名乗らないままいろいろ質問をされ、不信に思って問いただしたら、訓練校の生徒だったこともありました。

あきれたり、感心したり。

いろいろな人がいますね。


投稿: 栗原@simple | 2010年3月 8日 (月) 23:03

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