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2009年2月24日 (火)

おくりびと

映画「おくりびと」がオスカーを受賞し、その影響で納棺師という職業が話題になっているらしい。
昼食をとりながら、そんなニュースを見ていたら、10年前の出来事を思い出した。

10年前・・・
祖母が亡くなった。

突然のことで、あわてて新幹線に飛び乗り、駆けつけた。

祖母が住んでいたのは小さな一軒の借家。
そこに、親戚一同が集まった。

20年ぶりに会ういとこ達や、その家族など、しばしお互いのことを確認しあう挨拶が続く。
そして祖母と対面。

小さな6畳ほどの部屋に布団をかけられて寝ている祖母の顔は、生前のかくしゃくとした表情とは違い、ちょっと苦しそうにも見えた。
入院途中での突然の吐血、そして、そのままあっという間に息を引き取ったと聞かされた。

喪主となる叔父が、親戚一同を集めて湯灌をするという。
湯灌(ゆかん)? 初めて聞く言葉。

同席していた父に、「湯灌ってなに?」と聞くも、父も良く知らないらしい。


湯灌とは、死者を清めて、旅立つ準備をする儀式のこと。

やがて、葬儀社の社員が来て、てきぱきと準備が始まった。
逆さ水といって、水の中にお湯を足して行き、ぬるま湯を作る。
そして、そのぬるま湯を柄杓に取り、遺体の足元から首あたりへ向かって少しずつかけていくのだ。

血縁の濃い人から順に行っていったように記憶している。

祖母にとって一番の近親者は、彼女の長男であった私の父だ。
父が逆さ水を祖母にかけていく・・・
その所作を見ながら、私の心は嵐のように乱れていた。

つづく

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