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2009年1月 9日 (金)

反貧困9

B君の場合・・・

B君は、A君と同じくフリーターを繰り返し、そして訓練校へやってきました。
失業給付がなく、収入がないのも同じですが、B君は実家で両親と同居だったため、とりあえず日々の糧に困ることはありませんでした。

また、社会人の彼女がおり、休日のデートは彼女持ち・・だったかも?
「半分ヒモみたいなもんですよ・・」と、自嘲気味に笑っていました。

木工の筋はよく、いつも綺麗な鉋屑を出していました。

卒業後は彼女と結婚し、やがて奥さんの実家のある町へと引っ越していきました。
そして、奥さんのご両親の口利きにより、その町の木工関連会社へ無事就職を果たしました。

年賀状を兼ねた結婚報告のはがきには、二人の披露宴の姿が写っていました。
「養子に行ったも同然ですよ・・」と、一行書き添えられていましたが、写真の彼は自嘲ではなく本当に幸せそうに笑っていました。


C君の場合・・

C君はフリーターではありませんでしたが、転職を繰り返して日本全国を転々とした後、木工を終の仕事と見定めて訓練校へやってきました。

やはり失業給付はなく無収入でしたが、幸いなことに、彼には相続した資産がありました。
これを少しずつ取り崩すことで糊口をしのいでいました。

それでも限られた資産をできるだけ温存するため、早く次の生活基盤を確立する必要に迫られた彼は卒業を待たずに訓練校から去っていきました。

その後紆余曲折がありましたが、やがて田舎の空き家を年間二万円というただ同然の家賃で借り受け、ここに妻子と共に移り住みました。
小さいながらも古い納屋がついており、ここが工房になりました。

そして、田畑を借り、半農半工の自給自足的な生活を始めたのです。

しかし、自給自足といっても妻子がある身ですので、全く無収入と言うわけにはいきません。
「月に7万円あればやっていけるよ」と、にこやかに言っていましたが、不十分な設備と不十分な時間で作る木工品では、月7万を稼ぎ出すことは大変難しいのが現実です。

やがて資産も減っていき、いつもにこやかな彼の顔も次第に厳しさが増してくるようになりました。

このままだとジリ貧というとき、地元の団体との縁ができました。
木工を通じて地域振興をしようとしている団体で、ちょうど木工の指導員を探していたのです。
話はとんとん拍子に決まり、その団体へ就職した彼は、半農半工ではなく、今では団体の保有する木工所の所長として忙しい日々を送っています。


つづく

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コメント

Cさんの話、私に少し似ていて・・・。
私は、目まいの為に会社勤めが出来なくなりました。

元々器用だった事と、バンドマンしていた頃や、それより若いころに、大工の手伝いをしていた事で作りつけの家具を作ったりもしてきました。

お陰で、木工の技術も、本職さんほどでは無いですが習得でき、今役だっています。
で、仰るように、十分な設備が無いままですと、月7万円の収入って大変です。(私もそうです。。。)
うちも、半農?でなんとかやってますが、大変以上に大変。
今、目まいで、木工も止まってますし・・・。

幸いにも、カミサンが書道教室を始めましたので、お小遣い程度とは言え、収入がある事に感謝です。
貧乏で、つぶれてしまわないように。。。それが一番大変です。

半農で、心は凄く豊かです。
でも、生きていくのに最低必要なお金が無いと、それも苦痛になります。
子供の教育のこともありますしね。

貧乏の話は、金持ちには結局わからないんですよね~。
明るく生きてるけど、辛いんですよ実際。
政治してる人たち、みんなお金持ち。
結局、わからないんですね。
悲しい世界です。

投稿: とっちゃん | 2009年1月12日 (月) 23:55

コメントありがとうございます。

C君は空と大地が好きで、地面がないと自分は生きていけないといつも言っていました。
そして、念願の田舎の一軒家と耕作できる土地を得たときは本当に嬉しそうでした。

しかし、この現代社会の中では全く現金収入がなくてやっていけるはずもありません。
子供がいれば、最低限度の教育費は発生しますし、その他、健康保険なども生きていく上では必須のものとなります。

私も、田舎に暮らして空と大地を独り占めしているような彼の生活をうらやましいと思っていましたが、この仕事を始めて、そのような人々と知り合う機会を得、酒を酌み交わしながらいろいろな本音を聞いてみると、その笑顔の裏側にある辛さが伝わってきます。

皮肉なことに、派遣村が社会的な話題となったためか、地域の自治体で就農の斡旋をするところが増えてきたようです。

これが良い方向へ向かうのか? 今はなんとも言えませんが、閉塞しつつある地域農業への何らかの刺激になればいいなと思います。

とっちゃんさんも、その魁として頑張ってください。

いや・・・ほどほどに行きましょうか?
お互いにね♪

投稿: 栗原@simple | 2009年1月13日 (火) 23:43

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