« 反貧困5 | トップページ | 反貧困7 »

2009年1月 6日 (火)

反貧困6

ワーキングプアとは、働いても豊かになれず、経済的に困窮した状態からいつまでも抜け出せない状態のことで、NHKスペシャルを見てはじめてこの言葉を知りました。

何度かに分けて放映され、再放送もありましたのでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
番組ではワーキングプアに陥った人々の様々な例が紹介されていたのですが、いずれの例も自分に置き換えて考えてみたときに、果たして努力や才覚でこの状態を改善することができるのか、それは限りなく不可能に近いような気がするものばかりでした。

一方、湯浅誠氏は自立支援サポートセンター「もやい」の代表で、反貧困ネットワークの事務局長でもある人です。
昨年からの年越しに際して、派遣切りにあった人などを対象として炊き出しなどの援助を行う「派遣村」を主宰し、この間マスコミにも多く登場しましたので、ご存知の方も多いことと思います。

氏は、アカデミズムの人ではありません。
1995年から貧困と向き合い、実際にワーキングプアに陥った人々に手を差し伸べ、その生活改善の手助けを続けており、10年以上貧困に向かい、貧困の現場に立ち続けている人です。

ともすると、このような活動はイデオロギー的な色彩を帯び、理念が先行するばかりで情緒的で説得力を欠くものになりがちですが、氏の著書「反貧困」を読む限りは、そのような空気を感じることはありません。

労働に関する様々な統計データが示され、その意味を読み解いていく過程において日本における貧困の実態と、その構造的問題があぶりだされて行きます。
このように、現状を把握し、分析し、問題点を明らかにする手法は学者や評論家などによっても頻繁に用いられるものではありますが、氏が彼らと決定的に異なる点は実際の貧困の現場をつぶさに眺めてきたことによる生の声の膨大な蓄積です。

ワーキングプアに陥った人に数限りなく接してきた眼から発せられる現場の実態を踏まえた分析は、その統計データに肉付きを与え、色をつけ、圧倒的な迫真力と説得力をもって迫ってきます。

以下は、この書「反貧困」からの抜粋のようになりますが、これに私が見てきた例も絡めつつ続けてみたいと思います。


・・・
思いがけず長くなってしまいました。
木工ネタをお待ちの皆様、スミマセン・・・
ちなみに、ワタクシは5日より業務再開し、フルスピードで製作中であります。


つづく


|

« 反貧困5 | トップページ | 反貧困7 »

言いたいことなど」カテゴリの記事

コメント

アルバイト・パート、派遣社員、今後は今回に懲り「非正規社員」で働かない事!
これしか解決策はありません!

働いても 働いても 豊・か・に・な・れ・な・い!
働く貧困層 非正規社員

1月26日(月)
午後10時00分~10時49分 総合テレビ
密着 日雇い派遣
http://www.nhk.or.jp/special/society/index.html

ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 1/8 http://jp.youtube.com/watch?v=M12cqKOfXec
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 2/8 http://jp.youtube.com/watch?v=-PneCsYxmOM
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 3/8 http://jp.youtube.com/watch?v=uswfcfA2dhY
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 4/8 http://jp.youtube.com/watch?v=ncbLSk39DEU
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 5/8 http://jp.youtube.com/watch?v=G6ydyzEktrA
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 6/8 http://jp.youtube.com/watch?v=xEV2rA9PagQ
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 7/8 http://jp.youtube.com/watch?v=Zzy-x0Q0Mx4
ワーキング プア 解決への道 Ⅲ 8/8 http://jp.youtube.com/watch?v=u1J-TiatbXU

投稿: ワーキングプア | 2009年1月 6日 (火) 18:59

 以前、子どもの学習机をつくって頂いた者です。
 栗原さんの一連のブログ、興味深く、読ませていただきました。
 ワーキングプアの番組、私も見ました。
 働けば働くほど、貧しくなる、日本の社会構造。
 母子家庭もまた同様で、様々な手当てが切られて、仕事をかけもちで一日中、働くしかない現実。
 今は、大学を出ないと、正社員になるのが難しいとききます。
 そうすると、小学・中学・高校と、勉強も部活も、頑張って、ある程度の成績をおさめないとならないわけです。
 中学受験の過熱も、子どもたちを追いつめています。
 今の、このゆとり教育にあって、正社員へのルートを通ることは、困難な点が多々あるように思います。
 若い人たちが呼ぶ、勝ち組と、負け組。
 エリートと、そうでない者たちとの、はっきりとした区切りの存在。 
 でも、その一方で、わずかですが、ホームレスへの安易な道を、自ら選ぶ人もいるという事実。。。
 私も、いろいろ、考えさせられます。
 
 
 

投稿: シナモン | 2009年1月 6日 (火) 21:09

こんばんは。いつも栗原さんのブログを楽しく読ませていただいています。
昨今の非正規社員問題は他人事ではなく深く考えなければいけない問題だと感じています。
私自身は正社員として働いていますが、パートアルバイトさんと深く関わる役割を社内で担っています。
小さな会社なのでそんなに充分な手当てを出せる状況ではありません。また、仕事量によってはシフト調整もやらざるを得なかったりします。
その中でどこまで会社サイドとして面倒を見ることが出来るのか。そして今後の展開の中でどれだけ仕事を増やす方向へと種をまき、育てる手立てを遂行できるか。
関わる人々に出来るだけ幸せになってほしい。その為にも、今、どこまで自分にできるのか。何かに試されているような気がしてなりません。
パートアルバイトさんを束ねる役割を任されるようになってまだ3ヶ月。「日本でいちばん大切にしたい会社」という本を読んだ感動を胸にこの1年がんばってゆきたいと思っています。
栗原さんも怪我などに気をつけてこの1年もご活躍ください。これからもブログ楽しみにしています。

投稿: makoto | 2009年1月 6日 (火) 22:27

ワーキングプアさん
いろいろな映像の情報、ありがとうございます。

シナモンさん
いつもコメントありがとうございます。

ワーキングプア、見られたのですね。
私も身を切られるような思いで見ました。

貧困の再生産、セーフティーネットの欠如、周囲の無理解など、様々な悪条件の中で真綿で首をしめらるように追い詰められていく人々・・

日本は、一体いつからこのような社会になってしまったのだろうと思います。

個人個人の力は弱いですが、せめてこの問題に対して無関心でいることはやめよう・・
そう思っています。


makotoさん、コメントありがとうございます。

非正規の方々とかかわるお仕事なのですね。
非正規の方々も大変ですが、それを束ね、あるときは雇用調整をしなければならないお仕事もやはり大変なことと思います。

その意味で、この貧困問題は雇用側、非雇用側の両方に影を落とす問題で、根が深いことだと改めて思います。

どうぞ、ご無理をなさらないように・・
いつか景気も回復する、それを祈りましょう。

投稿: 栗原@simple | 2009年1月 7日 (水) 22:01

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 反貧困5 | トップページ | 反貧困7 »