パートシュクレさんへ
やはり、この問題は物作りに携わる人にとっては共通のことなのかもしれませんね。
ファインアートであれば、もちろん自分の好きなものを作れば良い。
一方、便利屋さんであれば、とにかくどのようなことでも拒まずお客様の要求に応えれば良い。
これら両極端にある人は、ポリシーが強力で、一貫していて、すごいな~と感心します。
でも、私を含めて大多数の人は、大なり小なり、いずれからも一定の距離を置いた位置にいるのではないかと思います。
その中間地点、緩衝地点であっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
くらげのように漂っているようでもあります。
この居心地の悪さ・・
これがジレンマとなり、何とかしゃんと腰をすえようと自分なりの基準を考えたりします。
でも、パートシュクレさんもおっしゃられているように、結局明確な基準線を引くことは困難で、答えはなかなか出ないですね。
なので、いっそ開き直って、答えを出す必要はない。
そもそも、答えを出すようなものではない。
と、考え方を改めたところ、目の前が開けるような思いがしました。
つまりは、明確な基準など設けず、個別に悩みながら判断していけばよいのではないか?
と考えてみました。
問題の棚上げ? とも取れますが、あえてそうすることによって考えが硬直化するのを防止し、常にニュートラルな立場からものを見ることができるのではないのか? と思ったりしました。
果たしてこれでよいのかどうか?
それも分かりませんが、とにかく今しばらくこのような考えで進めて行こうと思います。
でも・・・
会社員だった頃は仕事を選ぶことなんてできませんでした。
それを考えると、これはかなり贅沢なジレンマなのかもしれませんね。
明日は、大江さんへお返事をいたします。
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コメント
>会社員だった頃は仕事を選ぶことなんてできませんでした。
それを考えると、これはかなり贅沢なジレンマなのかもしれませんね
数年前にフリーになった理由はまさにソレでした。
仕事を自分で選べる。イヤな仕事はしなくていい。今思うとなんて浅はかな考えだったんでしょう。
いざフリーになってみると、仕事を紹介していただいた方との付き合いもあるため、つまんない仕事でも断れず、忙しいばかりで、見積りから営業、外注の手配、請求、税金、ユーザーサポート、自分のクリエイティブだけに没頭するつもりが雑事ばかり増えて、けきょく35歳過ぎて再就職するはめになりました。
フリーは自分には合わないな、と思った次第です。
人を雇えばいいんでしょうけど、どこにそんなお金が?どこにそんな便利な人が?という状態で。いやはや、独立して個人事務所でうまくやってらっしゃる方は尊敬してしまいます。
木工家の方も一人でやってくのはさぞたいへんだろうと想像します。
投稿: パートシュクレ | 2008年7月12日 (土) 20:50
私もいろいろな思いがあって退職、独立したわけなのですが、振り返ってしみじみ感じること・・
この世に、全てが満足できる、納得できる、夢のような仕事はない! ということですね。
新入社員だった頃・・
周囲の全てが不満の対象になっていた頃に黒澤明の言葉にめぐり合いました。
「どのような仕事でも、一生懸命にそれをこなせば必ず面白くなる」
今でもこれを信条として、日々ができるだけ楽しくなるように過ごして行きたいなと思ってます。
投稿: 栗原@simple | 2008年7月14日 (月) 18:54