昨日のこと、NHKで「坂の上の雲」の特集をやっていた。
かぶりつきで見る。
坂の上の雲。
言わずと知れた、司馬遼太郎の小説。
私にとっては、司馬作品の中で、いや、今までに読んだ古今東西のありとあらゆる小説の中で紛れもなく最高峰に位置するもの。
そのタイトルを聞いただけで、涙腺が少々緩んでくるほど、それほどの影響を受けた小説でもある。
読んだのは30歳前後であっただろうか?
頬をぶん殴られたような衝撃と、脳天から垂直に背骨に芯を入れられたような思いがした。
主役は・・・明治の日本国家そのもの・・と言ってよいかもしれない。
大政奉還の後、よちよち歩きの近代国家が誕生した日本。
しかし、その時は列強によるアジア侵略の真っ只中でもあった。
弱肉強食の当時にあって、赤ん坊のような日本がどのように列強に、特に南下政策を推し進めていた強大なロシアに相対していったのか?
明治時代の幾人もの人物にスポットを当て、その生き様をフィルターとして明治国家の気概を描く一大叙事詩。
壮大なドラマでもある。
それを、なんと・・・ NHKが映像化するらしい。
・・・
複雑な思いがする。
と言うのも、
司馬は生前、この小説は映像化してはならない! と言明していた。
理由は様々あるようだが、これは小説を読むとよく分かるのだが、背景として日露戦争がかなりのページ数で描かれている。
もちろん、リアリズムを旨とする司馬作品だ、非情な戦闘シーンなども随所に盛り込まれている。
なので、当然のことながらこれを映像にする場合、それらを無視することはできない。
そうなると、そればかりがクローズアップされ、単なる戦争映画に堕ちてしまう危険性が表裏一体で伴う。
帰結として、反戦イデオロギーがアレルギーのように沸騰し、司馬がこの小説において述べたかったことごとがことごとくその背後に雲散霧消してしまうことになりかねない。
確かに・・・その通り。
慧眼と いえる。
もう一つ・・・
このあまりにも壮大なドラマを、どのように映像化するのか?
例えば・・ 203高地の激闘、そして乃木希典と児玉源太郎との人物描写はどうなるのか?
日本海海戦の、あのとてつもないスケールが果たして映像で表現できるのか?
バルチック艦隊が、はるばる喜望峰を越えて日本までやってくる不気味で重苦しい迫真力は画像で伝えられるのか?
それを迎え撃つ連合艦隊、東郷平八郎と参謀である秋山真之の、極限ともいえる血を吐くような苦悩が再現できるのか?
ああ~ ・・・
映像化して欲しくない!
見て、がっかりしたくない!
でも ・・・
ああ~
映像で見てみたい。
ううぅ~ん
葛藤。
これは、司馬作品を愛する人ならば、きっと分かってもらえるはず。
ともあれ。
NHKへ告ぐ。
しっかり、きっちり、よろしくお願いしたい。
そのためなら、受信料を二倍払っても良いよ。
怖いもの見たさ。
放送は来年の秋ごろかららしい。
楽しみなような、複雑な思い。
どうも、坂の上の雲を語りだすと平静でいられない。
と、思いつくまま書いてみました。
興味のない方、すみません。
読み飛ばしてくださいませ。
ふぅ~ 疲れた。
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