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2005年11月11日 (金)

修行と独立と3

このように、訓練校でたての開業というものは何かと苦しい。

予想していた事態ではあるが、一人の孤独感と焦燥感が交じり合って、それが重圧となってかかってくる日々であった。

しかし、ピンチはチャンスでもある。

いかに経験が浅いと言えども、学校では15を超える作品を作ってきた。
その中で繰り返し使った技法であれば、今の自分でも十分な自信を持って用いることができる!

ならば、技術的な背伸びをすることなく、今の自分にできる範囲の技法で魅力的な作品を作っていけばいい。
そう思った。


しかし、葛藤もある。


木工家の性のようなものだが・・・
木組みなどの技法に凝るという性質がある。

それも、だんだん難しいものへ行こうとする。
そのような指向性がある。

私もそう。

そもそも、訓練校の木工科に入学した人など、総じて木工オタクだ!
薄い鉋屑を出すことにしのぎを削り、それを眺めてうっとりする。
無邪気なものなのである。

私もそう。

趣味ならばこれほど面白いものもないだろう。

でも、開業したら、それは趣味ではなく商売になる(当たり前)
例えば、15,000円のスツールならば、一日以下で製作しなければ利益は上がらない。
これが、木工を商売にすることのリアリズム・・

そのような環境で、上端下端留め蟻組継ぎ・・なんて、悠長にやってられない。
いや、もちろん、その時間を売価に乗せ、その価格でも売り切れる営業力、作品力があれば話は別だ。

しかし、ぽっと出の、どこの馬の骨ともイカの頭とも分からないような人間が作ったものなど、そんな高価な価格で売れる訳もない。

在学中に見学に行った木工房の親方は・・
「一年目は一年目、二十年目は二十年めの家具を作ればよいのです」
と、おっしゃっていた。

これが身の程を知る・・ということなのか。

そうに違いない。

と思ったのである。

つづく ・・・・だろう

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