椅子は難しい その2
午前中、お客様をお迎えする。
椅子のご相談。
ここのところ、椅子のお問い合わせが増えている。
やはり、椅子についていろいろとこだわりを持たれている方が多いのであろう。
昨日に引き続き、椅子をいろいろと考える日であった。
世に名作と呼ばれる椅子がいくつかある。
その中でも、北欧デザインには秀逸なものが多い。
面白いことに、北欧デザインのものは日本の住環境においても違和感なくとけ込む。
湯布院などの老舗旅館に行くと、太い梁が通る民家作りの重厚な空間に、さりげなくYチェアーが置かれていたりする。
なかなかいい佇まいである。
北欧デザインについて、もう一つ特筆すべき点は、これが工業生産、大量生産を前提とした構造であることだ。
工業生産品というのは、得てして味気ないものになりがちであるが、それをデザインの力で美しさの次元まで押し上げている。
手間暇もかかっており、これを個人の工房で一品生産したとするならば、とうてい6万円前後の実勢価格は実現できないだろう。
脱帽するしかない。
そんなことをつらつら考えると、我々木工家が作る椅子とはどのようなものであるべきか? という果てしのない命題に行き着く。
一品生産の椅子とは?
それを現実的な価格で提供できるようにする構造とは?
考えはいつもこの命題の回りをぐるぐると旋回する。
はたして収束はあるのか?
それとも???
椅子は難しい。
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